ノルウェー南東部の街ドランメンで、女子高生達が行っていた奇妙な“儀式”において、動物の生肉の食用を強要された16歳の女子高生がひどい食中毒を起こし、病院に搬送された。
北欧には『Gevjon』という、1911年に創立された女子高校生の秘密結社のようなグループが存在する。このグループに入会するためには、生の魚や動物の心臓、噛み煙草が加えられた水などの摂取を強制されたり、参加者同士の顔を平手打ちにするという、非常に奇妙な“儀式”に参加しなければならない。
17日付のDrammens Tidende紙が報じたところによると、先週水曜日、ドランメン市内にあるBragernes広場で行われたこの“儀式”に16歳の少女が参加し大騒ぎが繰り広げられていたが、“儀式”開始からしばらく経過した後に、生の鹿の心臓を食べさせられたこの少女が体調不良を訴え、救急車で運ばれたという。
少女の体調はその日のうちに落ち着き帰宅したが、金曜日に再び体調が悪化。再度病院に運ばれ、そのまま治療継続で入院するという事態へと陥った。入院中少女の容体は非常に悪化し、一時は生命に危険が及ぶほどであったが、月曜日には危機を脱し落ち着きを取り戻している。
病院関係者は検査の結果、この症状は病原性大腸菌による食中毒によるものであり、恐らく少女が摂取させられた生の鹿の心臓が原因であろうと説明している。
この少女達が通うドランメン高校校長のEllen Kathrine Winstrup氏はDrammens Tidende紙のインタビューに対し、以前はこうした“儀式”で笑いを誘うために突飛な行動をとる参加者が毎年必ずいたものの、それらは決して命にかかわるようなものではなかったが、ここ近年は眉をひそめたくなるような状況も増えているようだと話している。
今回の被害者となった少女の父親は同紙のインタビューで、彼の娘が命を落としそうになった原因となった、公衆の面前で行われていたこの奇妙な儀式を、学校や警察が容認していたことに対し、強い不満と批判の意を示している。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)