「カンニング竹山単独ライブ『放送禁止2012』」が8月31日~9月2日の3日間、東京・銀座にて開催された。相方である中島忠幸さんの訃報から1年後の2008年から始めて、今年で5回目を迎える。今回のテーマは「人の死と笑い」。「死と悲しみが時を越えて笑いになるのか?」という難題に挑戦した。今まで触れられてこなかった中島さんの死について、竹山がライブで初めて語ったのだ。
「カンニング竹山単独ライブ『放送禁止2012』」の劇作・脚本・演出を担当した鈴木おさむは、中島さんが亡くなった後しばらくして竹山にひとりでライブをすることをすすめたとブログ『放送作家鈴木おさむのネタ帳』に綴っている。その時に、鈴木は竹山と「中島君の話は(単独ライブを)5年やるまでしない!」とルールを決めたそうだ。そして5回目を迎えた今年、「人の死と笑い」をテーマして竹山はライブで初めて中島さんの死に触れたのだ。
『鈴木おさむ 考えるラジオ』(TBSラジオ)でも、当日の舞台の様子が語られた。重いテーマということで最初は緊張感に包まれていた会場だったが、その後は竹山の愛と毒によりおもしろい舞台になったと鈴木は感想を述べた。
舞台の内容は、まさに「放送できないような」ギリギリのものが多いようでなかなか伝わっては来なかったが、2日目にこのライブにゲスト出演したアンタッチャブル・柴田英嗣がラジオ『LINDA!~今夜はあなたをねらい撃ち~』(TBSラジオ)でその一部を語っている。舞台ではカンニングの歴史や2人の借金のこと、中島さんの死後、葬儀の費用や葬儀の際のハプニングなど、およそ2時間にわたり竹山はしゃべり続けたという。そのほか、初日のゲストで共演したアンジャッシュ・児嶋一哉はTwitterに「悲しい出来事を笑いにするのは、とても難しいし勇気がいると思う。竹山さんにしか出来ない、深くて愛のある笑いが満載の素晴らしいライブだった」と記している。
中島さんの死から6年。これまでその多くを語らない竹山であったが、今回のライブでは竹山自身もTwitterで「燃え尽きた」とつぶやいており、“死と笑い”という難しいテーマに真っ向から向かっていった様子がうかがえる。鈴木がルールを決めたとおり、中島さんの死をライブで語るにはやはり相当の年月が必要だったはずだ。今回のライブ成功は竹山のターニングポイントになったといえるだろう。
(TechinsightJapan編集部 佐々木直まる)