アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】空箱を拾って窃盗罪で起訴された男。被害者宅の前で服毒自殺。(台湾)

高雄市で民家の軒先に置いてあった空箱を勝手に持ち去った罪で起訴された男が、被害者の家の前で自殺する事件が起きた。遺書には、「金のあるものは生き、無いものは死ぬ」など、家主、警察、検察を恨む言葉が記されていたという。

蘋果日報が伝えたところでは、自殺したのは被害者宅の近所に住む59歳の男。今年7月中旬、被害者の家の前に置いてあった空箱を廃品だと勘違いして勝手に持ち去った。警察に被害届を出した家主(37歳)は、その後、近所の男の家の前に盗まれた空箱が置いてあるのを見つけて警察に知らせた。警察から連絡を受けた男は、家主に空箱を返しに行った。

8月10日、警察は事情聴取後、男を窃盗の罪で起訴。9月20日、検察官による取調べが行われた。その翌日、男は被害を訴えた家主の家の前で塩酸を飲んで自殺を図り、病院に運ばれたが死亡したということだ。

男の家族によれば、男は検察官の取調べ後、検察官から「罪を認めないと帰れない」と自白を強要されたと話したそうだ。また、男は4年前に鉄製の棒を盗んで転売した罪で30日間の拘留後3万元(約8万円)の罰金を支払っており、4年前に比べるとはるかに逼迫した経済状況を考えて自殺を選んだのではないかという。

これに対し高雄市検察署は、当時の取調べの記録を調べたところ自白を強要するような内容のものはなく、「勝手に他人の物を持って行ってはいけないと分かってくれれば、不起訴にできますよ」と情状酌量を示す内容だったとコメントしている。

なお、男が持ち去ったのは1995年ものの金門高粱酒の空箱で、家主は警察に対し1万5千元(約4万円)の価値があると話していた。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)