武漢市にあるケンタッキーフライドチキンで、スタッフが素手でハンバーガーを作っているのを見た男性客が「衛生的ではない」として店側にクレームを出し、賠償請求をした。だが拒否されたため、男性は自腹で購入したファミリーパックを店先に並べ抗議する騒ぎがあった。
現地紙『武漢晩報』が伝えたところでは、抗議をしたのは30歳前後の男性。およそ10分おきにファミリーパックを1つ購入し、「食品の安全管理に重大な問題あり」などと書かれたボードと一緒に店先に並べて抗議した。
男性によればこの日、昼の12時頃友人と来店した際、スタッフの1人が素手で野菜を掴み、ハンバーガーを作っているのを目撃した。男性はこれを衛生的ではないと感じ、店の責任者に対してファミリーパック20セットを賠償請求した。しかし、店側がまともに取り合わなかったため、男性は手持ちの現金に加えて銀行からも預金を引き出し、計14万元(約174万円)を準備、ファミリーパック2000セットを店先に並べて抗議することにしたという。しかし店側が提供したのは22セットだけだった。
午後5時、通報を受けた警察は撤去を求めたが男性はこれを拒否し、午後6時、店側が謝罪するまで抗議を続けた。
ケンタッキーフライドチキンの親会社である百勝飲食グループによれば、消費者が直接口に入れる食品に触れる場合は、国家食品薬品監督管理局が定める『飲食サービス食品安全基準』によって、スタッフの手洗い及び消毒が義務付けられている。こうした基準に対し、ケンタッキーでは該当食品の取り扱い時には手袋を用いるよう指導しているという。しかし騒ぎがあった店舗では、その指導が徹底されていなかった。百勝飲食グループは今回の騒ぎについて指導不足を認めており、再指導を行うとしている。また男性の抗議に対してはありがたい指摘だったとし、感謝の意を示した。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)