まさにすべてが絶好調という18歳、ジャスティン・ビーバーはナニを言っても笑って許される? いやいや、とんでもない、超人気セレブであるだけに発言内容にはもっと慎重になった方が良さそうだ。
『Rolling Stone』誌とのインタビューにおいて、自分の出生秘話を語ったジャスティン・ビーバー。母親のパティ・マレットさんが18歳の時に生まれたというジャスティンは、「僕はたまたまデキちゃった子」などと発言。シングルマザーに育てられた幼少期を自虐的かつオモシロく話した。
だが「僕にはインディアンの血が流れているんだ」と言い出したジャスティン。例えばスティーヴン・タイラー、ヴァネッサ・ハジェンズ、シェールといった個性的な美しさを放つセレブは、祖先のその血が武器にもなっているが、ジャスティンにインディアンの血とはあまりにも意外であった。
案の定、ジャスティンは家族からきちんとした話を聞いている様子はなく、「(種族は)多分イヌイットか何か」などとヘンなことを言い出す始末。イヌイットとはエスキモー民族の1つでカナダに分布するモンゴロイド人種(日本人もこれ)、インディアンとは大別されている。シドロモドロになるどころか、彼はさらに「自分たちの特権」とやらを話し始め、コトが厄介になった。
「カナダではね、ネイティブたちを保護する手当てが出るんだよ。僕の体内にもその十分な血が流れているらしくて、ガソリンは無料で入れられるんだ。」
この自慢話にはさっそく、カナダの先住民族議会(Congress of Native PeoplesとCongress of Aboriginal Peoples)が「そんなことを世間に向けて堂々と言う人がいる限り、カナダに暮らす先住民たちは日々辛い思いと闘って生きて行くしかありません。ガソリン代がタダなど甚だしい誤認です」と怒りの声明を放った。
またジャスティンのファンを含め、この話題を知った若者たちはインターネットで“ネイティブたちの過去と現状、彼らを取り巻く保護手当や特権”といったテーマで喧々囂々、話を繰り広げている。憶測や人から聞いた話というものも多く、“洗濯物を外に干すのは彼らだけだ”、“でも保護区にいる限り税金は免除され、 教育、 医療費もかからない”、“だからアルコール漬けで仕事にならないんだ!”などとそれは騒々しいことになっている。だが「シアトル」は誇り高きインディアン、シアトル酋長の名にちなんでつけられたことを知って驚く若者も。
実際ワシントン州には勇敢な戦士や酋長にちなんだという土地の名も多く、今でも多数の民族が名産品であるサーモンの漁に携わって生計を立てている。シアトルに留学した日本人などは、周囲にたくさんのインディアン保護区があることに驚くはずだ。またサウスダコタ州は岩盤に彫られた巨大な大統領の顔で有名な「マウント・ラシュモア」が有名だが、そこから少し離れた所には、スー族の「クレージーホース」という勇敢なヒーローの顔が白い岩肌を利用して彫られている真っ最中。いまだ完成に至っていないが、同州はインディアンたちの勇ましい歴史を観光産業とし、大事な収入源としている。
まだまだ知られていないこともいっぱいある… それがネイティブたちを取り巻く現状なのだが、迫害の歴史を知れば知るほど、彼らに敬意を払う気持ちは絶対に必要。そして行政ばかりか国民も、彼らがアルコールやカジノに溺れず、一般市民の生活水準に追いつき自活することを応援する気持ちが大切であろう。
先日は、英国のウィリアム王子について「若ハゲは薬で治せばいいのに」と指摘するなど、遠慮のない発言が話題になっていたジャスティン。18歳と成人したこともあり、何はともあれ今後は宗教や人種に関する話はやめておいた方が無難なようだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)