ロックバンド“プリプリ”ことプリンセス プリンセスが音楽番組『ミュージックステーション』に実に16年ぶりとなる出演を果たした。ボーカルの岸谷香も事前にスパイダーマンをモチーフにしたネイルにするなど気合が入っていたのだ。ところが、出演を終えた翌日。彼女が子どもに感想を尋ねると意外な答えが返ってきた。
プリンセス プリンセスは「震災の復興に何かができないか」と思い立ち期間限定で再結成している。7月13日には『ミュージックステーション』に登場してヒット曲の「Diamonds」と「世界でいちばん熱い夏」をメドレーで演奏した。
1996年以来16年ぶりに同番組に出演した感想を聞かれたボーカルの岸谷香は「あのギターが流れるとテンションが上がりますね」とB’zの松本孝弘によるオープニングのギターフレーズを口ずさんで感激していた。
彼女達は昨年の東日本大震災発生後に連絡を取り合って集合すると、復興支援のために再結成を決意したのである。だが、すでに解散から15年が経過していただけに簡単な道のりではなかったようだ。
『Mステ』では「子どもが夕方には帰ってくるので朝早くから毎日8時間くらい練習していた」と以前とは環境が違うことで苦労したことを語った。歌手としてソロデビューした岸谷香も以前のように歌っているわけではない。他のメンバーもそれぞれに音楽関係の仕事はしているもののやはり“プリプリ”を取り戻すのは大変だったのだ。彼女達は「最初はコピーバンドみたいだったよね」と練習段階の様子を明かしていた。
ところが16年ぶりに『Mステ』に戻ってきた“プリプリ”は40代半ばとなる彼女達ならではの厚みがあるサウンドで感動的な演奏を披露してくれたのだ。岸谷香オフィシャルブログ『岸谷香談』にも読者から「プリプリは青春そのもの」、「娘と熱唱しました」といった感激のコメントが多数届いたのである。
そんな熱気の覚めやらぬ翌日のことだ。岸谷香が子どもに「プリプリ見た?」と尋ねたところ「それはバアバにビデオとってもらって、違うチャンネルで、一輪車の日本一と日本二が対決する番組やっててさ、そっち見ちゃった」という予想外な答えにがっかりしたのである。
一輪車の番組とは紛れも無くAKB48メンバーも登場する『ガチガセ』の“日本一と日本二 戦って勝つのは本当に日本一?スペシャル”である。その後で岸谷香が「いきものがかりと、東方神起と桑田さんが一緒だったよ」と付け加えると「観ればよかった。東方神起かっこよかった~?」と盛り上がる我が子に母も複雑な心境のようだ。
伝説のガールズバンド“プリプリ”も子ども達の世代にはあまり響かないのか。それとも母親がやっているバンドということで逆に身近すぎて感激が薄いのか。岸谷香によると「我が家らしいと言えば、我が家らしい、か!」ということだった。
プリンセス プリンセスが6月27日にリリースしたアルバム『THE REBIRTH BEST~再会~』のCMコピーは「同窓会じゃ意味がない」だ。“プリプリ”は11月に仙台サンプラザホールと日本武道館、12月に東京ドームでの公演を予定している。もはや同窓会などとは呼ばせない5人の気迫でさらにパワーアップしていきそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)