writer : yonashi

【ドラマの女王】『ビューティフルレイン』敗因は“短期間で大人になり過ぎた”愛菜ちゃんか。

昨年ヒットした『マルモのおきて』以降不調が続く、フジテレビのドラマチック・サンデー。この状況を打破すべく『ビューティフルレイン』では、芦田愛菜ちゃんを迎え、再びヒットを狙うも苦戦しているようだ。

「若年性アルツハイマー」と診断された木下圭介(豊川悦司)が記憶がなくなるまで、一人娘の美雨(芦田)や職場の仲間たちとどのように生きていくかを描くドラマだ。

始終、白いランニングにチノパン姿といかにも冴えないおじさんスタイルにも関わらず、異様なまでにイケメンの“トヨエツ”。そこが見どころと言いたくなるほどだ。そんなトヨエツの仕上がりに圭介とのギャップを感じることもあるが、それ以上に愛菜ちゃんの成長ぶりに驚いた。

マルモの頃に比べ、身体が著しく成長している。一般的にも女の子の方が成長は速いが、その変化は顔立ちにも如実に表れている。少し前までの「愛らしい愛菜ちゃん」から実年齢の8歳より上に見える「お姉さんの愛菜ちゃん」へと変化している。いつの間にそんなに大きくなったのかと驚いてしまう。その変化のせいか、観る側がが慣れてしまったからなのか、かつてほど彼女の演技力にすごさを感じない。大人でも短期間で劇的変化を要求することは難しい。自然な変化か意図されたものか。いずれにしても弱冠8歳の愛菜ちゃんのこの変化はまさに“ドラマチック”だ。

マルモ枠×愛菜ちゃんの最強タッグでこの不調を挽回したかったであろう局側の思惑は分かる。今クールほとんどのドラマが第二話以降の視聴率で苦戦している中、『ビューティフルレイン』の視聴率の落ち込みは特に著しい。初回12.9%だった視聴率は第三話では8.6%にまで落ちている。最も苦戦を強いられると思われていた同局の『GTO』ですら12%台に留まっているにも関わらず―だ。

下降の一途を辿っていくと思われていた視聴率だが、前回放送分では初回を若干上回る13.0%をたたき出した。この急激な上昇はドラマ放送直前まで放送されていた27時間テレビを観ていた視聴者が流れてきた可能性も否めない。もともとストーリーや題材は決して悪いものではない。今後、圭介が他の登場人物にどのような影響を与えるのか、その話の運び方次第では充分挽回出来るものだと思う。今回、棚ボタであったかもしれないが、その挽回のチャンスが舞い込んだのだ。一度離れた視聴者を再び取り込むのは並大抵のことではないが、まだまだ勝機はあるかもしれない。来週の視聴率でこのドラマの真価が問われるのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 洋梨りんご)