エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】『ほこ×たて』人気で就職希望者増の“最強金属”メーカー。5戦負けなしの強さは社風から。

テレビ番組『ほこ×たて』で最大の見せ場となっているのが、“絶対に穴の開かない金属 VS どんな金属にも穴を開けられるドリル”の戦いだ。現在5戦負けなしを誇る金属精製加工会社「日本タングステン」は業界から注目されるだけでなく新卒採用者も増えたという。“最強金属”を作る中川内浩二さんが同社のHPで心境を語っているが、社風こそが無敵の強さを支えているようだ。

2010年に特別番組『対決バラエティ ほこ×たて』としてスタートした時から始まった“最強金属 VS 最強ドリル”の対戦は『プライド懸けた真剣対決ショー ほこ×たて』としてゴールデン進出して、ますます加熱しているのだ。

絶対に穴の開かない金属は、「日本タングステン」(本社博多区)の佐賀県にある基山工場で作られる“NWS超硬合金”だ。これまで「タンガロイ」、「アライドマテリアル」、「古河ロックドリル」、「オーエスジー」といった強敵を相手にしてきた。

特に「オーエスジー」とは昨年10月の対戦で金属が割れるという不測の事態となった。割れた金属側も負けを認めたが、あくまでも「穴を開けることが目的である」とドリル側も負けを主張したため初めて引き分けとなっている。いかにも職人らしさを感じる戦いになった。

今年の4月にはその両者が再戦を果たして、「日本タングステン」がさらに改善した金属に「オーエスジー」のドリルが沈んでいったものの貫通まで3ミリで刃がつぶれてしまい敗れたのだ。

名勝負を繰り広げる「日本タングステン」は今では応援メールも届く人気となり、新卒就職希望者も前年の5割増という。“NWS超硬合金”を作り上げた、基山工場の超硬部品部製造技術グループ主任・中川内浩二さんは同社のHPでこの人気について語る。

2010年に「テレビで最強ドリルと対決するぞ」と部長から言われたときには、状況がよく理解できなかったそうだ。なにしろ対戦相手についても知らないので「当社の既存製品の中からいちばんバランスの良いものを持って行くことになった」と話している。この段階で“最強金属”は特別に製造したものではなかったのだ。

「それからは現場の協力もあり連戦連勝することができました」と、中川内さんは個人でなく現場のメンバーと作ったことを強調する。彼は「私ばかりが注目を集めてしまって申し訳ない気持ち」があり、毎回、勝利するとホッとするというのだ。番組では金属の製造に関わった多くの仲間を代表している心境であろう。

中川内さんは「この仕事は、現場や営業の方々との連携が必要不可欠」と製造部門だけでは成り立たないことを説明すると、「風通しの良い社風なので、チームワークが素晴らしいですよ」と環境の良さを伝える。“最強金属”が作り上げられたのは高度な技術はもちろんだが、それをサポートする周囲の協力があってこそ完成したものだったのだ。

「番組を見て『日本タングステンという会社をはじめて知った』という方も多いのでは」と中川内さんは話すが、同社だけでなく製造メーカーの魅力を世間に知らせた貢献は大きい。今後も素晴らしい対戦を見せて欲しい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)