writer : yonashi

【ドラマの女王】ガリレオ再来!? 嵐・大野×戸田の新たなコンビは福山×柴咲を超えられるか? 『鍵のかかった部屋』。

16日から嵐・大野智の月9初主演で話題となっていた『鍵のかかった部屋』(フジテレビ系)が放送開始した。初回の視聴率は、18.3%と事務所の先輩である中居正広主演の『ATARU』(TBS系)には及ばなかったものの好発進だった。

新米弁護士・青砥純子(戸田恵梨香)とその上司・芹沢豪(佐藤浩市)は依頼主から密室事件の真相を暴いて欲しいと相談される。そんなとき、どんな鍵でも開けることの出来るセキュリティ会社の社員である榎本径(大野)と出会う。榎本の協力の元、密室の謎を解明していく一話完結のストーリーだ。原作は、嵐の二宮和也が主演した映画『青の炎』の作者でもある貴志祐介の『防犯探偵・榎本シリーズ』だ。

大野演じる榎本はセキュリティ会社に勤めているとはいえ、極度の鍵オタクで会社では変人扱いされ、別室に隔離されている。普段は無口だが、鍵に関する話になると、相手に構わず延々と専門用語を織り交ぜ説明する。そんな説明が多いせいか、棒読みでセリフを延々と言っているようにしか見えず、それが演技なのかは疑問に感じた。昔観た映画『ピカ☆ンチ』での彼の演技を忘れられない記者は、彼はもっと出来るのにと勿体ない思いでいっぱいである。

それに対して戸田演じる純子は、ドジで情に流されやすい正義感の強い女性だ。そのまっすぐな性格ゆえに厄介事を抱えては、度々榎本に相談する。戸田がそんな女性を演じるのは『LIAR GAME』以来で新鮮だ。ただ、お疲れなのか新米弁護士にしてはフレッシュさが足りない気もする。

そんな事件を持ってくる女とそれを解決する天才肌の2人の姿は、同じく月9のヒット作『ガリレオ』の柴咲コウと福山雅治のようだ。このままガリレオコンビ再来という形で人気ドラマとなればいいのだが、ガリレオと決定的に違う点が一つだけある。『ガリレオ』では、天才なのか天然なのか分からない福山演じる湯川学の発言と、それに振り回される柴咲演じる内海薫のやり取りの面白さも魅力だった。

しかし、榎本は普段ほとんど喋らない。口を開いても一言二言だけで、会話らしい会話がないのだ。その代わりに、金にならない仕事はしたくない佐藤演じる芹沢がいるのだろう。芹沢が事件に関わりたくないと茶々をいれなければ、ドラマの間が持たないのは一目瞭然である。これが続けば、視聴者に飽きられるのは時間の問題だ。そうならないためにも、謎に包まれた芹沢の素顔が“鍵”なのか。今後、彼の素顔が明らかになっていくことで、視聴者をつなぎ止めることが出来るのかが見どころかもしれない。

次回、第三話では原作者である貴志祐介も出演するようだ。原作者がドラマに出演するなんて、滅多にお目にかかれることではない。この機会に原作者がどのような人なのか調べてみるのも面白いかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 洋梨りんご)