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カニエ・ウェストとJay-Zが昨年の夏に発表した『Watch the Throne』は、ご存じの通り大ヒット。収録曲“The Joy”について、ブルース系ソウルシンガーに無断サンプリングだとして訴えられてしまったことを昨年10月にお伝えしていたが、その件がどうやら和解に達したようだ。
『Watch the Throne』のその“The Joy”という曲は、ソウルシンガーのカーティス・メイフィールド(1999年没)のヴォーカルをフィーチャーしたもの。しかし高齢のシル・ジョンソンというブルースシンガーが、それを67年の彼の作品である“Different Strokes”の無断サンプリングであるとして、イリノイ州の連邦裁判所に訴状を提出していた。
メロディラインや雰囲気は全く異なる両曲だが、所々に挿入される「ウッ!ウッ!」の声は共通している。だが、これを言い出したらキリがない。どれほど多くの歌手が「ウッ!ウッ!」と唸って来たことか。このほどその件に関して原告の請求棄却が決まり、各人の出廷を見ることなく和解となったことを芸能情報サイト『TMZ』が報じている。
恐らく棄却の理由は、「かなりの出費を覚悟して法廷で争うほど似ていないじゃないか」ということであろう。このジョンソンというシンガー、「無断サンプリング」と騒ぎ立てることが得意で、マイケル・ジャクソン、ジェファーソン・エアプレイン、サイプレス・ヒルらを相手に、驚くほど高額の賠償金を請求する裁判をこれまで幾度か起こしている。
むやみやたらな訴訟と敗訴。懲りないまま70代後半になったわけだが、ジョンソンももう少し賢い人生の時間の過ごし方を学んだ方がよいようだ。
※ 両者を比較してみたいとおっしゃる方はYouTubeでどうぞ。
・シル・ジョンソンの“Different Strokes”はこちら。ウッ!ウッ!にご注意を。
・Jay-Zとカニエ・ウェストによる“The Joy”はこちら。1分45秒ほどからウッ!ウッ!が始まる。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)