3月24日と25日に“ふくしま再興祭り”が、郡山カルチャーパークにて開催された。24日に行われたスペシャル音楽LIVE『音楽のチカラ』には、伝説のロックバンドBOOWYでドラムを叩いた高橋まことの呼びかけでギタリストの布袋寅泰も出演した。布袋はLIVEの後に、ブログで高橋と出会ったBOOWYの結成時を振り返っている。
布袋寅泰が今回の祭りに出演したのは、BOOWYを共に過ごした高橋まことからの呼びかけがあったからだ。彼の『布袋寅泰 公式ブログ』には、祭りを終えた27日に「福島の友」と題して高橋とのいきさつが明かされている。
BOOWYが結成された1981年に布袋寅泰、氷室京介、松井恒松ら主要メンバーがそろった後に、オーディションでドラムを募集したという。「高橋まことです。よろしくお願いします!」と1番目に登場したのが、布袋より8歳年上の“まこっちゃん”だったのである。
彼がメンバーとなったことで「僕らの群馬弁は少し、福島(ふぐすま)なまりが交じった」と布袋は記しており、“まこっちゃん”によりバンド内の空気も変わったようだ。
布袋はBOOWY時代を振り返り、「青春と呼ぶにはあまりにも強烈な、どん底からスターダムまでの道を4人で走り抜けた」と表現している。やがて1988年にバンドは解散するが、その後も布袋は音楽活動を続けて日本を代表するロックギタリストとなったのだ。
そして2011年3月11日に東日本大震災が起きた。布袋は震災による被害や原発事故のニュースを見て胸が張り裂けそうな気持ちになり「“福島”の文字を見聞きするたびに“まこっちゃん”の顔を思い出した」という。
その後、お互いのツイッターでやりとりが出来たことで、布袋は彼がふるさとの為に足を棒にして全国を走り回っている姿を知ったのだ。
高橋が布袋を訪れたのは、昨年の渋谷公会堂公演の楽屋だった。彼は「福島の為にぜひ力を貸して下さい!」とお願いしに来たのである。布袋が「まこっちゃんのふるさとは、僕のふるさとです。なんでもします!」と答えたことで、2人の元BOOWYが復興に向けて動き出した。
今年の2月に行われた布袋寅泰30th ANNIVERSARYのさいたまスーパーアリーナ公演には、スペシャルゲストとして高橋まことが登場した。布袋は「全国の皆に“まこっちゃん”の思いを知ってもらいたいという気持ちからだった」とその心境を明かす。
そのライブの打ち上げで、高橋から今回の“ふくしま再興祭り”の出演を依頼されたようだ。「断る理由はどこにもなかった」と布袋は記している。
そんないきさつで2人が共演した“ふくしま再興祭り”のLIVEについては、『高橋まことのぼちぼちBLOG』で報告されている。
高橋が音速ラインやPERSONZとそれぞれ共演して、BOOWYの楽曲も披露した。布袋との共演ではエディ・コクランのカバー“カモン・エヴリバディ”やBOOWYの“BAD FEELING”などを演奏。最後は「アンコールに全員で“雨上がりの夜空に”で会場が一つになりました」と高橋は綴る。
彼は「お客さんの笑顔に沢山のパワーいただきました」と感謝すると、「まだまだ“がんばっぺ福島!”は続きます。応援よろしくお願いします」と呼びかけた。
布袋寅泰も「日本が僕らのふるさとだ。音楽の力を信じて、これからもふるさとの為に、ロックンロールをシャウトし続けたい」と記すと、「がんばっぺ! ふぐすま! がんばっぺ! まごっちゃん!」と高橋まことへエールを送った。
これからも復興へ向けて2人の活動は続く。その思いは、ファンだけでなくミュージシャン仲間にも広がっていくことで大きな力となりそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)