フランスの有名デザイナー、ジャン=ポール・ゴルチエは仏パリでこのほど開催の「Paris Fashion Week」にて、昨年7月に急逝した歌手エイミー・ワインハウス(享年27)へのトリビュート作品を発表した。しかし反応は…。
ゴルチエは2012年春夏コレクションの中で、「エイミー・ワインハウスは私たちのスタイル・アイコンでした」と話し、彼女へのトリビュート作品を数点お披露目した。ランウェイを歩くモデルたちは、揃ってエイミー風メイクと大胆なビーハイブヘア。アクセサリーはタバコで、当然のように睨みを利かせて歩いた。
原色でかなり派手な感じの作品もあるが、確かにどれもエイミーが好んでいたスタイルを彷彿とさせる。しかし、エイミーの父ミッチ・ワインハウス氏は英大衆紙「Sun」の取材に、「ゴルチエからは何の相談も受けていない。エイミーを扱ったスタイルを発表し、話題性ひとつで売り上げに結びつけようとしているんじゃないか」と批判。ツイッターでもこのようなNGコメントを放った。
“娘のスタイルが、ファッション業界にそれなりの影響を及ぼしたというのは嬉しい。でもモデルたちは黒いベールをかぶったり、タバコを吸ったり、男声四重唱団を従えてヘタな歌を歌ったりだよ。趣味が悪いね。”
“しかも、精神的に不調だった頃のエイミーのルックスを再現しているんだ。どんどん転落して行くあの頃の娘の様子を美化するなんて、家族にとっては尋常ではいられないものがあるよ。”
さらにエイミーの葬儀に真っ先に駆けつけた友人、ケリー・オズボーンも「デキについては悪くないわよ。ただトリビュート作品を発表するには、タイミング的に早すぎるんじゃない? エイミーに敬意を表しているとは思うんだけれど、ゴルチエのたくましい商魂が感じられてイヤ」とツイートしている。
デザイナーに限らずであろうが、トリビュートは必ずしも遺族から「光栄です」と感謝されるとは限らない。チャリティならともかく、収益につながるのであれば尚更のこと。タイミングと遺族の顔色を見ながら、ごくごく慎重に行われるべきもののようである。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)