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【ドラマの女王】“子役の呪縛”から抜け出した。あの人気子役が昼ドラで復活。『鈴子の恋』。

2004年『僕と彼女と彼女の生きる道』で、草なぎ剛の娘・凛役の「はいっ」というお返事でブレイクした子役の美山加恋ちゃんを覚えているだろうか。2006年の実写版『ちびまる子ちゃん』では、まる子の親友たまちゃん役を演じるなど優等生のイメージが強かった彼女も気付けば15歳。先週からスタートしたフジテレビ系列の昼ドラ『鈴子の恋』で、主人公・日向鈴子の幼少期を演じている姿を見てその成長ぶりに驚いた。

『鈴子の恋』は、2000年に他界したミヤコ蝶々が残した自著『女ひとり』をドラマ化したもの。芸と恋の間に揺れて生きてきたミヤコ蝶々の人生が描かれている。脚本は『ふたりっ子』や『蜜の味~A Taste Of Honey~』でお馴染みの大石静。2007年に久本雅美主演でドラマ化された『ミヤコ蝶々ものがたり』でも脚本を務めている。主題歌には松任谷由実を迎え、現在4話(1/10放送)まで放送されている。

そんなミヤコ蝶々(本名・日向鈴子)の幼少期を演じる美山は「はいっ」と可愛らしくお返事していた子役時代の面影はあまりなく、一目ではあの美山加恋だとは気付かないほど大人びた表情になっていた。どことなく10代の星野真里に似た面持ちだ。

9日に放送された第3話では初恋の相手とのキスするギリギリのシーンもあった。そこで相手を焦らすなど、見ているこちらまで焦らされてしまう大人の演技をしていた。そのシーンには妙な色気を感じたのだ。確かに顔を見れば大人びているとは言え、まだ子どもだ。しかし、間の取り方や指先の動きのひとつひとつに、何か内面からにじみ出るものが感じられた。

美山のあとにブレイクした大橋のぞみは芸能界引退騒動があるなど、一時ブレイクした子役が活躍し続けることは難しい。今回の美山のように、いったん見る機会が減り戻ってくるケースも多いが、再びブレイク出来るのはごくわずかだ。その間も芸能活動をしていた、していないに関わらず、その間にどれだけ自分自身を成長させ、演技に反映させることが出来るかが大きいと思う。

ドラマ内でも鈴子の母・(浅野ゆう子)が鈴子に「恋をすることには反対しない。芸に艶が出るから」と言っているように、恋愛や勉強、現実の生活で経験したことを肥やしにし、表情だけではなく内面から演技出来るようになって戻って来られる子が、子役という呪縛から抜け出せるのかもしれない。

美山の出演は8話で終わってしまうが、彼女の今後の活躍と、彼女から引き継ぐ映美くららの鈴子も楽しみだ。
(TechinsightJapan編集部 洋梨りんご)