女優の江角マキコ(45)は高校卒業後バレーボールの実業団チーム(現:Vリーグ)に入団、しかし右肩の大ケガにより引退した経歴があることは知られていた。彼女が実業団に所属していた期間は約1年と短かったが、江角にとっては辛い思い出しかないと語る。それはバレーボールの練習が厳しすぎたのではない。今でも思い出すと涙が溢れてくるほどの封印してきた過去とは、一体何だったのであろうか。
1月6日放送の『ぴったんこカン★カン』(TBS系)で、江角が訪れたのは大阪。彼女は島根県内の高校のバレーボール部で活躍していた時に、実業団チーム2社からスカウトされた。彼女は大学に進学し体育教師になるのが希望だったが、父親が急死し家庭の事情を考え実業団でバレーボールを続ける道を選んだそうだ。そして高校卒業後、日本たばこ産業の実業団チームに入団、大阪の女子寮に入った。
実業団時代に江角と同期だった女性によると、彼女は“人に媚びず、女子特有の「みんなが同じであることを優先する」タイプではなかった”らしい。だからだろうか、江角は実業団時代は人間関係が(先輩やマネージャーらと)上手く築けなかった―と話している。毎日夜遅くまでの練習の後、寮の掃除や洗濯をしなければならず、そのやり方も細かく指導されたという。ある日テーブルの拭き方が自分のやり方と違う―とマネージャーから注意された江角は、その瞬間“プツン”と心の中で何かが切れてしまった。ユニホーム姿でスリッパのまま財布だけを握りしめ、実家に帰るために伊丹空港に向かった。寮から脱走したのである。
そして島根の実家に帰った江角だったが周囲の説得もあり、また大阪の寮へ戻るもペナルティーが科せられた。その“脱走事件”から間もなくして彼女は練習中に右肩に大ケガをし、バレーボール選手としての道を絶たれてしまった。
寮を脱走したことは、「江角の我慢が足りなかっただけ。」と思う人もいるだろう。もちろん彼女は自分が体験した辛い出来事の全てを話していないし、当時の先輩やマネージャー側からの意見も聞かなければ公平ではない。何より江角は他人を恨んだり責めたりはしていない。今回の番組では、挫折した記憶を封印し思い出すのを避けてきた実業団時代にキチンと向き合い、自分の気持ちの整理がしたかったのだ。
懐かしい実業団時代の同期と再会できたことは、江角にとって何よりも嬉しかっただろう。会社を退職し寮を出て行くとき、見送ってくれたのは彼女たちだけだったそうだ。江角が思い出したくない時代の友人だということも彼女らは察していて、今までは遠くから温かく見守っていたというバレーボール仲間。これからは遠慮無く昔のように、江角も交流できるのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 みやび)