学校で数年にわたっていじめを受け、今年9月に自らの命を絶った14歳のガガファンの少年に突き動かされ、レディー・ガガ(25)が、ホワイトハウスを訪れて「いじめ撲滅」を訴えた。
ガガは6日、ホワイトハウスを訪れて、オバマ政権の大統領上級顧問バレリー・ジャレット氏らと面会した。ガガはいつもの奇抜なファッションではなく、白いロングスカートのスーツに控え目なメイク、肩までのブロンドヘアを無造作にたらしたエレガントな姿で登場。クリスチャン・ルブタンの7cm以上はある白いヒールを履き、歩きにくそうにウエストウィングのゲートをくぐっていったという。
ガガはオバマ大統領本人に面会を希望していたが、大統領はカンザス州で経済について遊説中で残念ながら留守だった。面会に応じたジャレット大統領上級顧問は、「自身もいじめを受けて育った彼女が、自分のサクセスストーリーを、若者のいじめという重要な問題にスポットライトをあてるために役立てたい、と願う熱心さに感銘を受けた。」とホワイトハウスの公式ブログに書いている。
ガガのホワイトハウス訪問は、ニューヨーク州バッファロー在住のジェレミー・ロードメイヤー君(享年14)が遺したメッセージを伝えるため。ジェレミー君はバイセクシャルであることを理由に、学校で執拗ないじめを受けていたが、亡くなる数か月前に「いじめは必ず無くなる、約束するよ」とタイトルをつけたユーチューブビデオを投稿していた。
ビデオの中でレディー・ガガの『ボーン・ディス・ウェイ』に勇気をもらったと明かしていたジェレミー君だが、9月末に自殺。ガガはこのニュースを知り、公式ツイッターにジェレミー君のビデオのリンクを貼って「彼のことを考え、泣いて叫んでいる。いじめは不法にしないとならない。」とつぶやいていた。
その後ガガは「この件について、大統領と面会する。決してあきらめない。」と力強くツイート。今回のホワイトハウス訪問は、この約束を守った形になる。ガガはハーバード大学などと連携し、いじめ撲滅などを訴える慈善団体「ボーン・ディス・ウェイ財団」を設立しており、若者達が性嗜好や多様な個性に関わらず受け入れられる世界の実現を目指している。ジャレット大統領上級顧問はこの財団についても「我が国の子供達を守るため、惜しみない協力を提供したい。」としている。
アメリカでは、4人に1人のティーンエージャーがいじめを受けているというデータもあり、いじめ撲滅は深刻な問題だ。オバマ大統領は以前、ミシェル夫人と共にホワイトハウスでいじめ防止のための会議を開いたこともあり、この問題に熱心に取り組んでいる。今後はガガの「セレブ・パワー」を借りて、いじめ撲滅に向けた法制度の施行などに、一層真剣に取り組むことになりそうだ。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)