EU発!Breaking News

writer : shiina

【EU発!Breaking News】市の児童課、肥満対策で4人の子供を両親から引き離す。(スコットランド)

スコットランド東部ダンディー市の児童課が、肥満傾向のある家族の子供4人を、減量と健康管理のため両親から引き離すことを決定、実行した。だが子供達の健康管理のためとはいえ、親子を無理矢理引き裂こうとする児童課の強固な姿勢には疑問の声も生じている。

この一家は父親が114キロ、母親は146キロ、7人いる子供の中の12歳の息子が100キロ、そして3歳の息子も既に25キロもあるなど全員が肥満傾向にあり、ダンディー市の児童課は3年前両親に、子供らを痩せさせるか、あるいは自分たちでそれができないようであれば、健康を管理できるしかるべき施設へ子供達を預けるようにという通告を出していた。

通告に従い一家はその後、肥満解消のため市の施設に入居したのだが、そこで行われていたのは、担当の役人による毎食事時の監視だった。担当者は毎回、一家が何をどれくらい食べているかを事細かにチェックしていたのだ。

だがこうした監視の割に、役所からの減量のための具体的なアドバイスなどは一切なかった。また一家も自主的に何かするということは特になかったようで、結局その施設にいた3年の間、彼らの肥満は全くといっていいほど解消されることはなかった。

この結果を受けた児童課はこのほど、一家の子供達の肥満解消のため、7人のうち1歳から11歳までの4人を両親から引き離し、養子に出すかしかるべき施設に入居させるなど、健康管理を適切に行うことのできる環境下に送り出すことを決定した。この間、両親は子供達との連絡をとることは一切禁止されており、両親はこの厳しすぎる措置について「役所からの要請には全て従ったのに、このような結果となってしまった。一体私達が何をやったというの?」と涙ながらに話している。

イギリスに限らずヨーロッパのいくつかの国では子供達に対する保護政策がしっかりとしており、児童虐待などの調査のため役人が一般家庭に入ってくることは決して少なくない。またスコットランドやイングランドでは子供の肥満が社会問題となっていることもあり今回の処置に至ったのかもしれないが、それにしても少し厳しすぎる児童課の今回の対策には首をかしげているダンディー市の住人も多いという。

本当に肥満を解消させるために必要なものはプロによる助言やプログラム、そして適切な運動の指導であり、役人は食事の様子よりもむしろ、それが本当に実行されているかどうかを監視すべきではなかったのだろうか。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)