エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「涙とともに選んだ」。桑田佳祐が『宮城ライブ』オープニング曲「青葉城恋唄」の秘密語る。

歌手の桑田佳祐が9月10日(土)と11日(日)に開催した『宮城ライブ~明日へのマーチ!!~』についてラジオ番組で心境やエピソードを語った。彼はライブのオープニングで、さとう宗幸のヒット曲で知られる「青葉城恋唄」を披露して感動を呼んだが、桑田は意外なきっかけから同曲を選んだという。

9月17日に「桑田佳祐のやさしい夜遊び」(TOKYO FM)で彼が語ったところでは、宮城ライブの準備段階で演奏する楽曲を決めるためにスタッフとアルバム「MUSICMAN」など、これまでの自身の楽曲を聴くことから始めたという。『まずノリの良い歌から入りやがて深遠な意味合いの歌に…』というように検討していくが「ラストは『Let’s try again』ということだけはすぐに決まった」そうである。

ところが彼は逆にオープニング1発目の楽曲はどうするかを悩んだ。「Let’s try again」は使えないのだ。その時、スタッフが持ってきていた『東北にまつわる歌』が収録されたCDがあり、「青葉城恋唄」もその中にあったのだ。桑田佳祐はさとう宗幸のヒット曲として知っていたその曲を、久しぶりに聴いて胸に迫るものがあったと言う。

『時はめぐり…また夏が来て。…瀬音ゆかしき杜の都…あの人はもういない』その歌詞を震災後の今、改めて聴いた桑田佳祐は「家に帰って1人で聴いていると涙がボロボロこぼれた」と明かした。「涙とともに選ばせていただきました」と彼は「青葉城恋唄」を選んだ心境を語ったのだ。

また、桑田は今回のライブでは様々な人々の協力が身にしみたと感謝している。まず彼が昨年のガンの手術や治療でお世話になった病院関係者だ。「担当の先生が『1年後にはライブもできますよ』と言ってくれたから頑張れた」と彼は話す。今回のライブ会場ではその担当医や看護師も待機してくれていたので安心してパフォーマンスができたのである。

会場周辺には「虹の広場」が設置されて出店が並び、盆踊りも行われて雰囲気を盛り上げた。桑田佳祐の最新シングル『明日へのマーチ/Let’s try again~kuwata keisuke ver.~/ハダカ DE 音頭~祭りだ!! Naked~ 』の中の『ハダカ DE 音頭…』に関しては桑田流のオチャラケた内容も含まれる楽曲だ。彼は「『ハダカ DE 音頭』はさすがに難しいかと思ったけど『虹の広場』で雰囲気を作ってくれたので自然に演奏できた」と内情を話した。他にもラストに花火が打ち上げられて夜空を飾ったが、当初は「花火はよした方がいいのでは」と彼も判断に迷っていた。それを決断して実行してくれたのはスタッフたちだったのだ。ライブを盛り上げたそうした仕掛けについて、桑田は「99%はスタッフや地元の人がやってくれたこと」と感謝していた。

この日、番組に『宮城ライブ』に参加した視聴者から届いたメッセージも紹介されたが、その中に「2列前にいた女性が『風の詩を聴かせて』が始まると肩を震わせて嗚咽していました」という内容があった。その視聴者は『被災者の方だろうか』と心配したが「でも、その方も終盤にはノリノリだったので安心しました」と結んでいた。今回のライブでは被災者の方も多数参加していたはずだ。桑田佳祐の歌が明日へ向かう力となったのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)