)
人気歌手エイミー・ワインハウス(享年27)の急逝から早くも2か月。逝去直後はその死因をめぐる憶測ばかりがメディアを賑わせていたものの、その衝撃が薄れると同時に彼女の歌手としての偉大さや遺した功績が再び大きな注目を浴びるようになってきた。それもそのはず、彼女はゴシップ・クイーンである以前に超一流の歌手、そしてグラミー賞受賞者でもあった。その彼女が生前録音していたトニー・ベネットとのデュエット曲が、間もなく発売となるトニー・ベネットのアルバムに収録されたという。
その豊かで美しい歌声で世界中を魅了し続けてきた歌手トニー・ベネット(85)と、実に見事なデュエット曲を3月に収録していたのが故エイミー・ワインハウスである。その曲の名は『ボディ・アンド・ソウル』。死去のわずか4か月前に録音されたとはにわかに信じがたいほどの素晴らしい歌声だ。そして見事なまでに完璧なパフォーマンス。これぞエイミーがファンに遺した最後の贈り物なのかと聴く者を身震いさせる、まさに感動の一曲となっている。
この曲が収録されているのはトニー・ベネット生誕85周年記念アルバム『デュエッツII』。10月5日に日本でリリースされるこの待望のアルバムにはレディー・ガガ、マイケル・ブーブレ、マライア・キャリー、ノラ・ジョーンズ、アレサ・フランクリン、ジョン・メイヤーらといったまさに音楽界をリードする超一流アーティストが参加し、すでに世界中の音楽ファンの間で大きな話題となっている。
発売を前にすでに「大ヒット間違いなし」と言われるこの楽曲であるが、収益はエイミーの父ミッチ・ワインハウスさんが薬物依存症患者の救済を目的として創設した基金「エイミー・ワインハウス・ファウンデーション」へ寄付されることが決定しているそうだ。今なお「死後にも命は続くと思う。エイミーはきっと僕の隣にいるさ」と気丈に語るミッチさんであるが、急逝した娘の歌声が今もなお人を助けている現実に、自身の言葉に間違いがなかったことを認識しているのではないだろうか。そして世界中のファンたちは、こうしてエイミーの見事な歌声に再び出会える喜びに酔いしれている。
「エイミーのような才能溢れるアーティストは希有な存在だ。」
エイミーの生前、トニーはそうメディアに語っていた。その言葉が正しいことを、この見事なデュエット曲が証明している。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)