エンタがビタミン

writer : miyabi

【エンタがビタミン♪】「個性がないことが個性。」俳優・妻夫木聡が長い間苦しんでたどり着いた答え。

「適当にやって女にモテて、いい飯食ってんだろうな。」俳優・妻夫木聡(30)が当初持っていた俳優としての職業観は“ナメたもの”だったという。実際簡単に大手の芸能プロダクションに入ることができたという妻夫木。しかしそんな彼を待っていたのは、思っていたような生易しい世界ではなかった。

9月22日放送の『情報満載ライブショー モーニングバード!』(テレビ朝日)の「羽鳥の月イチ!A男子」のコーナーで、俳優としてデビューした当時の思い出から語り始めた妻夫木聡。初めての映画出演に「何もできない自分」に対し、悔しくて情けなくて初めて人生で“挫折感”を味わったと話す。だが彼の整った顔立ちと爽やかな笑顔は幅広い年代の女性からの支持を集め、瞬く間に人気俳優の仲間入りを果たした。

その人気の高まった20代前半の頃、妻夫木は同時期に活躍していた窪塚洋介と比較されるようになる。発言も行動も何かと世間を騒がせた窪塚に対し、「個性が無い。」と色々な人に言われたという妻夫木。彼の演じる役柄も、みな押し並べたように、誠実で正直、好青年役ばかりであった。「個性って、何だろう。」と妻夫木はその後長い間、悩み続けることになる。

転機は自分自身の力でもぎ取った。“今までの妻夫木聡のイメージを覆そう。”と自ら企画を持ち込んだ映画『悪人』であった。孤独を抱え殺人を犯す主人公を演じるのではなく、“なりきろう”と努力をしたのだという。「自分をゼロの状態にして、臨んだ作品。とにかく苦しかった。」と当時を振り返る妻夫木。『悪人』を撮り終えた後は、役者は演じることが仕事だから「個性がないことが個性」。だからこそ自分はいつも真っ白でいたい―と思えるようになったそうだ。それは役者として、“いつでも、どんな色にでも染まれる。”という意味である。

インタビュアーの羽鳥慎一と共通の友人である嵐の櫻井翔とは、10年以上の付き合いがありよく食事にも出かけるそうだ。「彼らのコンサートを観たら、“嵐になりたい”って思いました。嵐のみなさん全員かっこよくて、コンサートでは櫻井に向かって僕も手を振ってましたから。」

映画『悪人』で役者として大きく成長した妻夫木聡。ストイックなまでに俳優としての在り方を模索し続け、ようやく一つの答えを見つけ出した。この先も様々な役柄の色に自らを染め、スクリーンやテレビの画面を通じて我々に飽きることない驚きや感動を届けてくれるであろう。
(TechinsightJapan編集部 みやび)