EU発!Breaking News

writer : shiina

【EU発!Breaking News】あっけなく御用となった指名手配中のマフィア幹部、逮捕の決め手はFacebookの写真。(スペイン)

スペイン南部、リゾート地として有名なコスタ・デル・ソルに面する街マルベーリャで、長年指名手配されていたマフィア幹部の男が逮捕された。なかなか尻尾を出さなかったこの男の逮捕のきっかけとなったのは、彼の恋人がFacebookにアップした写真だった。

今回逮捕されたイタリアのマフィア組織カモッラの主要メンバー、サルヴァトーレ・ダヴィーノは、麻薬密売容疑によりイタリア警察から『逃亡中の最も危険な100人』の中の1人として指名手配されていたものの、何年にもわたる必死の捜索にもかかわらず、その足取りは全くつかめずにいた。

だが最近になって、ダヴィーノの恋人がイタリアのナポリへ向けて発信したメールと電話に気がついた警察が行方の追跡を開始、その過程で発見された彼女のFacebookのページに、彼女がダヴィーノと共にマルベーリャに滞在していることを証明する写真がいくつかアップされていることが明らかとなった。特に、ホテル名と地名の入っている看板前で撮影された彼女の写真から2人の宿泊先と滞在地が判明し、これによってダヴィーノはマルベーリャのガソリンスタンドであっけなく逮捕されるに至った。

スペインには以前から警察の目から逃れたイタリアンマフィアが数多く潜伏しており、マフィアによる麻薬密売やマネーロンダリングが秘密裏に行われているほか、マフィアのための医療行為もスペインで行われることが多い。特に南部の地中海沿岸地帯は、カモッラのメンバーの主な潜伏地となっているという。

ダヴィーノ自身はスペインではなくモロッコに潜伏していたのだが、出産のためマルベーリャに渡った恋人を追ってモーターボートでスペインに極秘入国していたことが、その後の捜査で明らかとなっている。しかし、これがまさか自身の逮捕につながることになるとは、当人も全く考えていなかっただろう。彼女の一連の行為は全てタレコミが目的ではなく何も考えずに行われていたというから、ダヴィーノにとってあまりにお粗末な結果となったのではないだろうか。

FacebookやTwitterなどのインターネットツールがトラブルの元となり得ると証明された今回の事件だが、警察や我々一般市民にとってこの結果は一安心といったところである。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)