EU発!Breaking News

writer : shiina

【EU発!Breaking News】北極圏でキャンプ中の英学生、飢えたシロクマに襲われ死亡。(ノルウェー)

ノルウェー北部スヴァールバル諸島のスピッツベルゲン島で、17歳のイギリス人の少年がキャンプ中にシロクマに襲われて死亡した。

この少年は、イギリスの学生のための探検団体が主催した旅行の参加者で、事件発生当時は他の参加者13人と引率の教師らと共に、スピッツベルゲン島最大の街、ロングイェールビエンから約40キロ離れたフォン・ポスト氷河付近でキャンプを行っていた。

先週5日の早朝7時半頃、1頭のシロクマが突然彼らのテントの中に入り込み参加者らを襲撃した。所持していた防御用の銃でシロクマは殺害されたものの、それまでに少年が殺害され、また他の同級生2人そして教師2人も重傷を負い、ノルウェー本土の街トロムセの病院まで搬送されることとなった。

スピッツベルゲン島を含むスヴァールバル諸島は北極圏内に位置しており、地理的な特質を活かした研究に従事する研究者や、炭坑での採掘に従事する労働者ら約2500人が居住しているが、同時に約3000頭のシロクマも棲息しており、住民らはシロクマからの襲撃を防ぐために普段から警報装置や銃を常に所持している。また、1990年代にやはりシロクマがトレッキング中のグループを襲撃した事件が発生したことがあるため、スピッツベルゲン島で遠出やキャンプをする際には、役所に届けを出し、防御用の銃を所持しなければならないという決まりが存在している。

こうした装備をしていたにもかかわらず、今回何故シロクマがキャンプを襲撃し、多くの犠牲者が出る羽目となってしまったのか、詳しいことは未だ解明されていない。だが後に解剖されたこのシロクマの体内には体脂肪がほとんどなく、胃の中も空っぽであったため、飢えが原因で襲撃するに至ったのではないかと推測されている。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)