エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「女の人は大変だ…」。生活感あふれるジョン・レノンの言葉。オノ・ヨーコが独占インタビューで語る。

現在公開中の映画『ジョン・レノン,ニューヨーク』に関して、オノ・ヨーコがテレビ番組の独占インタビューに答えた。話を聞いた女性レポーターが涙してしまうほど彼女のジョンへの思いが伝わる内容だった。

元ビートルズのメンバーであり、解散後は「イマジン」などの名曲を残して世界的なアーティストとして知られるジョン・レノンが1980年12月8日に凶弾に倒れて昨年で30年が経過した。ドキュメンタリー映画『ジョン・レノン,ニューヨーク』は彼が最も愛した街であったNYでの思い出を中心に作られたものである。

8月13日に放送された「王様のブランチ」の映画紹介で映画コメンテーターのLiLiCo(リリコ)がオノ・ヨーコに独占インタビューした様子が紹介された。「この映画を観た人は『何も知らなかったな』と思うんじゃない?」とオノ・ヨーコが切り出すほど、このドキュメンタリーはあまり知られていないジョン・レノンの日常が綴られているのだ。

映画の内容は映画館でお楽しみいただくとして、それに加えて今回のインタビューでオノ・ヨーコが明かしたエピソードは貴重なものと言えるだろう。ジョン・レノンとオノ・ヨーコの交際に対しては周囲からのバッシングも多く、それに嫌気がさしてジョンはイギリスから米・ニューヨークへと移り住んだ経緯がある。そんな状況を乗り越えて『LOVE&PEACE』の象徴のようにも見えた2人だったが、不仲となり別居した時期もあったのだ。

2人が不仲となった原因の1つがジョンの浮気だった。最終的にジョンがヨーコにひざまずいて詫びるのだが詳細は映画に譲ろう。その後さらにつながりが強くなった2人だが、その頃のジョンの言葉をヨーコが紹介した。「夫婦は植木のようなものだ。毎日水をあげて育てねば」と、あのジョン・レノンが言ったのである。

やがて息子のショーンが生まれてジョンは1976年に音楽活動を休止した。家庭に入り『ハウス・ハズバンド』として家事や育児に専念したとされるが、ヨーコの次の証言はその姿を生々しく表している。キッチンに入ってジョンがパンを粉からこねて焼こうと苦心していた。ヨーコやショーンはテーブルに座ってパンが出来上がるのを待っていた。やっとのことでジョンがパンを焼き上げてテーブルに置いたのだ。「みんなが手をのばしてあっという間にパンをたべてしまったの」とヨーコはそのわずかな時間のことを思い出した。ジョンはしみじみと「これは、女の人は大変だ。パンを一生懸命作ってもすぐになくなって、賞ももらえない」と言ったのである。

ハウス・ハズバンド生活をおよそ5年過ごして、1980年にジョンとヨーコのアルバム『ダブル・ファンタジー』を出しジョン・レノンは本格的に活動を再開したが、同アルバムの楽曲にはこれまでに無いカラーを感じることができる。それは例えば『ビューティフル・ボーイ』や『ウーマン』に顕著で、そこには子育てやパン作りなどの経験が影響していると思われるのだ。

インタビューの最後にLiLiCoがオノ・ヨーコに「ジョン・レノンとは?」と尋ねると「いちばん近い人ね」とヨーコは迷うことなく答えた。このインタビューを終えてLiLiCoは「オノ・ヨーコさんの(ジョンへの)思いを伝えようとする気持ちが分かって涙が出ました」と涙をふきながら語っていた。

ドキュメンタリー映画『ジョン・レノン,ニューヨーク』は8月13日から、東京都写真美術館ホールほか全国順次公開されている。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)