俗にいう “YouTubeセンセーション” の一人、レベッカ・ブラック(13)。ノリノリの『Friday』で、マイリー・サイラスも嫉妬するほどの話題のシンガーとなった。だが彼女はこの度、そのオフィシャル・ビデオをYouTubeから削除してしまった。いったいどうしたの…?
16日までは見ることが出来た、YouTubeに公開されていたレベッカ・ブラックのオフィシャル・ビデオ『Friday』が、突然のように削除された。再生回数はなんと167,262,594回でストップ。「この動画は、Rebecca Blackさんによる著作権侵害の申し立てにより削除されました」の文言が悲しい。
YouTubeに公開していると、著作権が侵害されるというのは一体…。TMZ.comが彼女の代理人に取材したところ、“著作権をめぐって「Ark Music Factory」と衝突しており、削除するより他に方法はなかった” という説明があった模様だ。
この「Ark Music Factory」は、ツテもなくスポンサーもいないが実力はある、という歌手志願の若者にはうってつけの音響制作のプロダクション。有料ではあるが完璧なスタジオでレコーディングし、映像も撮ってリリースしてくれる。レベッカの母親は4000ドルという代金を支払い、娘をYouTubeデビューさせた。
そして3月、『Friday』はiTunes Storeで販売されるようになった。だが膨大な数字を記録するのはYouTubeのビデオばかりで、曲の売り上げとしては1か月経っても20万枚にも届かず、ビルボード・シングル・チャートの50位にも入らなかった。人々にとっては、“13歳のカワイコちゃんがノリノリで歌ってるよ!” という部分だけがセンセーションであったのかも知れない。
実はこの曲、Ark社のオーナーであるパトリス・ウィルソンとクラレンス・ジェイが書いていた。オリジナルディスクとビデオの肖像権はレベッカ側(母親が管理)にあり、しかし曲の著作権は会社にある。ビジネスに関しては素人のレベッカの母親は、iTunes以外にも「着メロ」や「ビデオレンタル」という商売方法を展開しようとするArk社への怒りを募らせてばかりであった。
現在、同社の公式WEBサイトarkmusicfactory.comでも問題が生じている。ここが紹介しているレベッカの『Friday』ビデオというのも実はYouTubeのものであり、そのためやはり視聴出来ない。大事なプロモーションのアイテムを削除することにはなるが、レベッカ側の同社への「抵抗」にはなっている。
“こんなにクリックしてもらえるとは思わなかった” という感動から一転、“こんなに売れないとは思わなかった” というのが正直なところ。この計算違いが両者をオカシクさせた原因のひとつでもあろう。
だが争い事はもう止めて。少なくとも『Friday』のYouTube再生回数は、先輩格のジャスティン・ビーバーをも揺るがした。おまけにケイティ・ペリーの最新ミュージック・ビデオ『Last Friday Night (T.G.I.F.)』に出てくる、赤白ボーダーシャツのキュートな女の子はレベッカである。エンタメの世界で確実に知名度を上げているのだ。本人はまだ13歳。オトナの勘定で振り回し、その才能をどうか摘み取ってしまわないように…。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)