4月に開催されたフィギュアスケートの世界選手権で、2度目の優勝を果たした安藤美姫。6月21日放送の『はなまるマーケット』(TBS系)のはなまるカフェのコーナーに出演した。そこで明かされた彼女の素顔。また東日本大震災と世界選手権への想いなども語った。
世界選手権では2度目の優勝だった安藤。1度目の時とはどのような違いがあったのだろう。1度目はケガをして練習不足であったが、今回は目標をもって挑んだ大会であった。だが、当初は練習に集中できる心境ではなかったそうだ。
その理由は東日本大震災だった。彼女は福岡におり実際は被災していないが、「スケートを滑っている場合か。」と思ったのだろう。練習に身が入らなかったという。だが、手紙やメールで彼女を応援してくれる人々が沢山いた。その声を聞き、安藤の心は変わったようだ。「日本のためになにができるか。」と、世界選手権に挑んだ。そんな彼女の想いが通じたのだろう。安藤は日本に希望の光を灯してくれた。
そんな彼女の活躍の陰にはコーチのニコライ・モロゾフ氏の姿がある。番組内で流れた練習風景の映像。モロゾフ氏の厳しい声が練習中、常に響く。それに対し安藤は、これでもか!と意見する。従来の日本で見られる、黙ってコーチに従うようなイメージではない。練習風景もある種の「戦い」に見えてしまった。しかしそれは、意見を言うようにモロゾフ氏から言われているからである。自分の意思表示をしっかりと示すことが大切なのだ。現在アメリカを拠点としている安藤。アメリカでも当初は「表現がない」と指摘されたそうだ。日本ではただの口答えに見えてしまうが、実はそれは自分が思っていることを、しっかりと相手に伝えているだけだったのだ。安藤の結果の裏には、こうした意識改革が関係しているのかもしれない。
そんな安藤は幼い頃、父を亡くしている。スケート教室に入って間もなくの時であった。そんな亡き父と、安藤を繋ぐものは空である。彼女はとても空が好きなのだ。空はどこまでも続いている。空を見ると「どこかで父親が見守っている。」と思うのだろう。彼女は空を見るとすかっとするそうだ。安藤をフィギュアスケーターとして成功させたもの。それは、空で繋がっている遠く離れた父への想いなのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 うずらの珠子)