writer : testjournalist

【ドラマの女王】視聴者に『失恋保険』は効かなかった? 期待はずれにまるで失恋した気分。

「失恋したら掛け金の10倍の保険金で癒してくれる」そんな魅力的な文句で惹き付ける『四つ葉神社ウラ稼業 失恋保険~告らせ屋~』(木曜深夜・日テレ系)。過去に向井理主演の『傍聴マニア09~裁判長!ここは懲役4年でどうすか~』や板尾創路主演『木下部長とボク』などコアな層がそそられるドラマが多い枠であるだけに期待も大きい。

今回の主演は意外にもドラマ初主演の城田優。『交渉人』での死刑囚役や『サムライ・ハイスクール』でコミカルな演技を見せるなど最近気になる彼。だがそんな彼が今回演じるのはクールな動物生態学者だったので残念で仕方ない。聞いたことのないような珍しい保険だけにもっと特徴的なキャラクターなのではないかと期待していただけに残念さもひとしおである。

物語は表向きは縁結びの神社である四つ葉神社。その裏では失恋したら掛け金の10倍の保険金で癒す「失恋保険」を扱う告らせ屋の顔を持つ。その調査員、ルークこと香月歩(城田)と丸山円(福田沙紀)、ゲイの宮司で失恋保険の元締めの戸倉英太郎(通称トラコ、古田新太)の3人が加入者の告白の手助けをしていくお話だ。告白の手助けというと聞こえは良いが、彼らが調査するのは告白する相手ではなく加入者が隠して持っている本音である。人が持つ裏の感情を暴くのだ。

加入者を調査することで謎解き要素が含まれている。だが、今のところドラマではありきたりな設定ばかりで、面白さに欠ける。たとえワンパターンであってもそれを上回る設定、キャラクターであれば面白くなるものだ。まして「失恋保険」なんて、人を惹きつける設定を掲げているのだから、もっと魅力的な作品になったはずだ。登場人物がクールな男に天真爛漫な女のコンビというありふれたものがいけないのだろうか。これでは前クールの『示談交渉人 ゴタ消し』のキングコング西野亮廣と忽那汐里のコンビをはじめ、話の運び方まで違いを感じられない。それなら古田新太演じるトラコを主人公にした方がよほど面白かっただろう。古田新太というだけでもインパクトがあるというのに、加えてゲイという設定は面白すぎるではないか。出番は少ないが、毎回彼が出てくるのを楽しみにしているほどだ。
これからもトラコ目当てで見ることになるだろうが、前回から少しずつルークの過去に触れ始めたのでそこに期待していきたいところである。

そしていつの間にこの枠に「木曜ミステリーシアター」などという名前が付いたのだろうか。過去に異質だが面白い作品が多いだけにミステリーばかりでマンネリ化して、このドラマ枠がなくなってしまうことは避けて欲しいものだ。
(TechinsightJapan編集部 洋梨りんご)