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writer : maki

「今できることは義援金」。櫻井翔キャスターがテレビから被災地支援を呼びかける。

ニュース番組「NEWS ZERO」(日テレ)は3月14日、東北地方太平洋沖地震特別体制で2時間にわたり放送された。月曜日キャスター櫻井翔が『被災地で求められるもの』として参考意見を紹介した。

村尾信尚キャスターが被災地の宮城県石巻市赤十字病院より実況中継しながら、各地で聞いた被災者の声を紹介する形で番組は進行した。
NEWS ZERO」放送開始よりキャスターを務める人気グループ嵐の櫻井翔が、スタジオから村尾キャスターとやりとりして番組を進行した。

村尾キャスターによると、現地の赤十字病院には被災者が多数訪れ「病院の病室だけでは対応できずロビーや廊下で多くの方が横になる状況」という。
全国から医療関係、ボランティアの人々がかけつけて患者に対応しており、病院付近は電気が復旧していないが病院だけには電力会社が特別電力供給を行っている。
中継は夜の10時過ぎだったので周囲は暗闇だ。病院の灯りだけが穏やかな光を放ち「まさに暗闇の中の救いの光」と村尾キャスターは例えた。

彼が各避難所で被災者に「今、何が必要ですか?」と聞いたところ実に様々な状況にあることが分かった。
宮城県七ヶ浜町の避難所では中高年世代の女性達が「とにかく肌着、着る物が欲しい」と話した。
彼女らは「皆さん協力して差し入れてくれるので助かります」と涙ぐみながらも「元気でいようと笑うようにしてます」と笑顔を見せた。

体育館で避難生活を送る青年らは「電気、水道、ガス」の復旧を望むが一番必要なのは「通信手段」だと語った。
高齢者が多く避難するところでは「水が心配。薬を飲まれてる方の薬が切れる」と心配していた。毎日飲んでいた薬の「お薬手帳」を流されて何を飲んでいたかわからない人も出ている。

また、赤ちゃんのミルクが残り少なく『赤ちゃん・ミルク』とダンボールに大書してアパートのベランダから呼びかける若いお母さんもいた。
なんとそれを見て粉ミルク2缶を届けてくれる人が現れたのだ。「命をもらった感じ」とお母さんは目を赤くして感激した。赤ちゃんのいるところではオムツも必要となるようだ。このように被災者の必要とするものは個人で違ってくる。
村尾キャスターは避難する被災者達から「こうした状況を全国に伝えて欲しい。助けて欲しい」との声を聞いたと話す。

物資支援やボランティア支援など支援する側としては「何とか力になりたい」と考えるが、現状では何をすれば有効なのか。
櫻井キャスターが京都市災害ボランティアセンターに確認した内容を紹介した。
それによると『被災地で求められること』を優先順に考えると 1.プロによる救助救出 2.電気、ガス、水道などのライフラインの確保 3.ボランティアの活動となる。
NGO団体も受け入れ体制ができていない現在においてボランティアの援助はまだ早いとしている。物資援助については災害被害に詳しい東大の田中淳教授が「物資の提供は大きなロットで企業の支援をお願いしたい」と意見を述べた。
そんな意見をもとに櫻井キャスターは「今、私たちができることは、思いが届いてうまく使ってもらえる義援金です」と提案して「各NGO団体や日本赤十字社などのHPなどで確認を」と呼びかけた。
田中教授もそれに「気持ちをお金という形で支援」と賛同して「必要な時に必要なものを被災地が入手するという形で使う義援金は有効」と説明した。

この日、櫻井翔はキャスターとして出演したのだが、震災以降テレビ番組にメインで芸能人が登場するのはおそらく彼が初めてとなる。プレッシャーもあっただろうが、彼の気合の入った進行で2時間枠ながら密度の濃い内容の番組であった。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)