エンタがビタミン

writer : miyabi

【エンタがビタミン♪】薬師丸ひろ子が語る、主演作の中で「封印したい映画」「女優を辞めたくなった映画」。

3月5日公開の映画『わさお』では22年ぶりに主演映画の主題歌を歌っている、薬師丸ひろ子。3月2日放送の『情報プレゼンター とくダネ!』内のインタビューでは、辛く苦しかった思い出のある過去の主演映画2作について語った。

薬師丸ひろ子の制服姿で銃を持つ姿が印象的な、映画『セーラー服と機関銃』。当時、彼女は現役の高校生。都立高校へ通いながら、女優業を続けていた。演技指導が厳しいことで知られる相米慎二監督の下、撮影中はいつも怒鳴られっぱなしだったという。通称“しごき棒”と呼ばれるモノで、つつかれたり叩かれたり。朝の9時からリハーサルが始まっても、本番がスタートするのは夜中の12時から。学業と両立させている身であっても、甘えは許されなかった。「今でも映画のタイトルや主題歌を聞くと、当時の思い出が生々しく蘇ってくるんです。私の中では、“蓋をして、閉じ込めておきたい”映画です。」

そして薬師丸がブルーリボン主演女優賞を受賞した、『Wの悲劇』。薬師丸が演じた若手女優は、所属する劇団の看板女優からスキャンダルの身代わりを頼まれ、見返りに準主役を手に入れる。それは真っ直ぐに努力し続けていた自分の人生に泥を塗り、恋人をも裏切る行為だったが、何としても手に入れたい役であった。彼女は素晴らしい演技で見事に脚光を浴びることとなるが、全ての真実が明らかになりどん底へと転落する。
薬師丸はこの映画の撮影が進むに連れて、役にのめり込み苦しみ悲しんで、ラストシーンを取り終える頃には心が擦り切れていたという。心身ともに疲れ果てた彼女は、「もう、女優をやめてやる!」と心で叫んでいたのだ。

この日の『とくダネ!』でコメンテーターとして出演していた、高木美保。彼女は『Wの悲劇』で、薬師丸のライバル女優の役を演じていた。「この映画で薬師丸さんは、アイドルから大人の女優へと転換を図っていた。現場でも大変苦労していたのを、覚えています。」と語った。
今思い出しても、『Wの悲劇』のラストシーンは“ジーン”としてしまう。薬師丸ひろ子の表情が、忘れられない。
(TechinsightJapan編集部 みやび)