タレントのはるな愛がテレビ番組でニューハーフになるきっかけとなった過去の体験を明かした。
はるな愛は2009年に「ミス・インターナショナル・クイーン」で優勝して世界一美しいニューハーフの名を手に入れた。昨年は「24時間テレビ 愛は地球を救う」で初のニューハーフマラソンランナーとして感動のゴールを果たす。
着実にニューハーフタレントとして人気を得てきたはるな愛だが、実はニューハーフになる気はなかったというのだ。
3月6日に放送された「ボクらの時代」で友人の藤原紀香らと共演したはるな愛がその過去を明かした。
はるな愛の大阪の実家はお好み焼き屋であるが、彼が中学2年生の頃に一時『飲み屋』をしていたことがある。
その店の常連客から「ケンちゃん(はるな)みたいな女っぽい男の人がやってる店がある」と連れて行ってもらったのがニューハーフの店だったのだ。
彼はそれまでにテレビでニューハーフタレントの草分けといえるカルーセル麻紀などを見て「ニューハーフ」の存在は知っていた。しかし「私は女になりたい。こういう人にはなりたくない」と自分とは無縁だと思っていたのである。
だが、その店で見たニューハーフ達は彼のイメージをガラリと変えた。女性と同じくキレイにメイクして楽しそうに踊るニューハーフを見て彼は「わたしもここで働きたい」と思ったのだ。
彼はこの出来事がきっかけで、高校を中退するとショーパブ「Tootsie」梅田店で働くことになった。
数年後、芸能界に入る決意をしたはるな愛は店をやめて上京するが、芸能人としての仕事も無くビルの清掃などのアルバイトで暮らした。
やがて資金ができたところでバーを経営するが客は少なかった。そんな時に「男の声を出してボケると客が来るようになった」ことがはるなの芸風の基となるのだ。
その頃はまだ女性らしい甲高い声も出ていたのだが、ある日ポリープができて現在のような低い声しかでなくなった。
しかし、それを機に「自分は男なんだと受け入れることができた」とはるなは明かす。
「認めたくなかったことを認めたら周りとうまくいくようになった。全部が動き出した」と言うのだ。
「それまで、自分が作った狭い世界に閉じこもった」と本音を話すはるなに、友人の藤原紀香が「よう頑張ったな」としみじみと伝えた。
紀香はもう一度「ありのままの自分を受け入れないと、人も受け入れてくれないっていうことね」と自分に言い聞かせた。そして「そこまでは聞いたこと無かったわ」と言うと、はるなが嬉しそうに「そうだっけ?」と返したのが印象的だった。
タレントとして独自の道を確立したはるな愛の魅力の秘密は、そんな苦しみの中から生まれていたのである。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)