アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】「自分の子じゃないかも・・・」浮気を疑って実の子を殺害した父親に懲役24年。(台湾)

昨年6月9日の早朝4時頃、新北市に住む49歳の男が、眠っている娘に濡れタオルを被せるなどして殺害する事件が起きた。警察に対し男は、「自分の子ではないのではと疑いを持った」と供述。しかし鑑定の結果、まぎれもなくこの男の娘であることが判った。高等裁判所は今月2日、男に懲役24年の重刑を下した。

判決によれば、料理人として働いていた男は10年前、ベトナム籍の女性と結婚し、その後軽度の運動機能障害のため失業。酒を飲んでは殴るなどの行為が絶えず、昨年2月に離婚し、2歳の娘は男が引き取っていた。

男は離婚後、娘が実の子ではないのではないかと疑うようになり、しかしまた、元妻が娘を連れて行くのではないかと心配もしていたという。事件当日、男は疑いの気持ちが抑えられなくなり犯行を決意。熟睡している娘の鼻と口を濡れタオルで塞いで殺害した。男はそれでもまだ息が途絶えていないと思い、5分もの間首を押さえつけ、さらに水を張った洗面器に頭を浸けさせた。

犯行時、男が大声を上げていたことから、驚いた近所の住民が通報した。警察が駆けつけると、男は警察の入室を拒み、遺体に火をつけた。警察がドアを破って突き進むと、水を張った浴槽に頭を浸けて自殺を図ろうとしたという。また、「元妻が男を連れて訪れ、娘を連れて行かれると思い殺した」とも供述した。

血縁鑑定により、実の子であったことが判ると男は泣き崩れたという。しかし裁判官は、事件当日に元妻が男の家を訪れた事実はなく、男には精神疾患もみられないこと、警察が突入してから自殺を図ろうとしたこと、そして犯行手段が残忍であることなどから、極めて悪質な犯罪であると判断し、児童殺害罪及び公共危険罪で懲役24年の刑を申し渡した。

以前、5人中3人が他人の子だったという事件があった。その父親は自分の子である2人だけを連れて去った。確かに、自分の子だと思っていた子が実はそうではなかったら、その衝撃は大きい。しかし、だからといって自分の子ではないと分かった瞬間にそのこどもへの愛は消えてしまうのだろうか。血の繋がりなどなくとも手放したくないとは思わないのだろうか。この父親は、「自分の子ではないかも」と疑いながらも、「連れて行かれたくない」と考えていた。それなのになぜ、命を奪わなければならなかったのだろうか。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)