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【ドラマの女王】相葉ちゃんキャラ封印で作るカクテルは苦い味? ドラマ「バーテンダー」

テレビ朝日系列で放送中の金曜ナイトドラマ「バーテンダー」、今をときめく嵐の相葉ちゃんこと相葉雅紀が主演を務めている。
物語はヨーロッパのカクテルコンテストで日本人初の優勝を果たした経歴を持つ元バーテンダー佐々倉溜(相葉)が、雑誌記者の来島美和(貫地谷しほり)と「神のグラス」という伝説の一杯を作るバーテンダーを目指すというもの。

嵐といえば、現在「GANTZ」が公開中の二宮和也をはじめメンバー全員演技も上手い印象だが、連ドラ初主演を飾った相葉の「マイガール」はファンにとっても苦い思い出だったのではないだろうか。「マイガール」では亡くなった昔の彼女が遺した娘を育てるというあまり経験しない役柄であったとは言え、その演技は苦しいものだった。
嵐の中でも元気なムードメーカーである相葉。バラエティ番組で見る彼はいつも勢い良く早口に話す。よく考える前に発言し、メンバーにしか解読出来ない場面も度々見かける。そんな彼が「マイガール」同様さわやかな青年を演じるのだ。普段の早口を封じられ、とにかくゆっくり話す。それは演技するわけでもない私たちにとっても難しいことである。けれども、ゆっくりとした口調に気を取られるために演技は二の次になり、話すことで精一杯な様子がありありと伝わってくるのだ。さらに今回のドラマはカクテルの説明をするシーンも多く、カンペを読んでいるのかと思わせるほどたどたどしく、見ているこちらはこどもの発表会を見守る親の気持ちになってしまう。

そんなドラマの中でもピーンと空気が張り詰める瞬間がある。ミスター・パーフェクトの異名を持つ天才バーテンダー葛原隆一(金子ノブアキ)の出演シーンである。彼は佐々倉とは正反対の冷静沈着でミスを一切許さない男。その厳しさと傲慢さは見ているこちらをもムカムカさせるほどだ。彼のシーンは、それまでこどもの発表会だったドラマを一気に引き締める。それだけあって相葉と二人のシーンでは差がはっきり出てしまうのだが、それはそれで役の正反対さが出ていて良い効果に見えるから不思議なものだ。

今後ストーリーは「神のグラス」を巡り佐々倉と葛原がどのような闘いを見せるのか、そして佐々倉がバーテンダーを辞めた理由、美和との恋の行方などを中心としたよくあるパターンで進んでいくと思われる。そんな物語の結末を佐々倉のたどたどしい説明で覚えたカクテルを飲みながら、見届けるのも悪くないかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 洋梨りんご)