アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】“将来負け組にならないか心配”。母親が12歳の息子を殺害。(台湾)

「ウソつきは泥棒のはじまり」。ウソをつくこどもに、そう教育してきた大人も多いに違いない。しかし、こどもがなぜウソをついたのか。その動機を真剣に考えたことはあるだろうか。

今年2月、台湾彰化県で、学習しない、お金を盗む、ネットカフェに入り浸るといった息子に対し、自分では教育しきれないと感じた母親が、息子を殺害する事件が起きた。“息子が将来負け組になるんじゃないかと心配だった”と話す母親に対し、検察側は懲役20年を求刑していたが、裁判では母親がうつ病を患っていたこと、衝動的な犯行だったことなどから、懲役12年の有罪判決が申し渡された。

判決によれば、殺害されたのは、母親(53歳)が離婚後に交際していた元恋人との間に生まれた12歳の男の子である。事件当時この母親には、新たに同居する恋人がいた。男の子はわんぱくな性格で、学校での成績は普通、普段からよくウソをつき、家からお金を持ち出すことも多かったという。そうしてネットカフェに入り浸る息子に頭を抱えた母親は、2月11日午後3時、ビニール紐で息子の首をしめて殺害した。

午後6時、帰宅した恋人に母親が犯行を告白し、恋人が通報、逮捕となった。しかし母親は、取調べに対し息子は首を吊ったと供述したという。その後、現場や遺体の検証などから母親の供述が事実である可能性が排除されると、ようやく犯行を認めた。

裁判官の見解では、うつ病を患っているこの母親は、普段こどもを溺愛しており、こどもへの期待も高かった。しかし息子は学習せず、母親は無力感を感じるようになり、さらには息子が将来社会に危害を加えるのではないかと心配するようになった。犯行は一時的な衝動によるもので、情状酌量の余地があるという。

こどもは、本当のことを言うと叱られるからウソをつく。ウソをついてもバレなければ褒められることがあるからウソをつく。親にとっての理想の子を演じようとウソをつく。殺害された男の子の場合、不安定な家庭環境や母親の高すぎる期待などがウソをつく背景になっていたとも考えられる。そんなこどものウソの動機を考えていれば、母親自身ここまで追い詰められることはなかったかもしれない。大人はこどもに「ウソはダメ!」と叱りつける前に、なぜこどもがウソをつかなければならなかったのかを考える必要があるのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)