エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】龍馬のイラストも描いた。意外! 女優真木よう子が持つ漫画マニアとしての素顔。

NHK大河ドラマ「龍馬伝」でお龍を演じる真木よう子は人見知りで硬いイメージがある。しかし実生活の真木よう子は意外にも漫画が大好きだというのだ。

真木よう子の演じるお龍を見る意味で、龍馬伝の内容に少し触れておこう。
お龍の働く寺田屋に宿泊中の龍馬は、伏見奉行の手勢に急襲された。そこで瀕死の怪我を負うが、お龍の活躍で命を取り留める。お龍こそ自分に必要な女性だと感じた龍馬はお龍と夫婦になるのだ。この後薩摩藩で療養して霧島に新婚旅行するのだが、お龍が笑顔を見せたり、すねたりして心を開いたのはこの時くらいなのである。

真木よう子はそういうお龍を演じているために、どうしても明るく朗らかな女性のイメージとはならない。
9月に放送されたテレビ「土曜スタジオパーク」に出演した真木よう子は、自分の性格はそんなお龍にかなり近いものがあると語った。しかし、彼女のプライベートを調べていくと漫画マニアであることが分かったのだ。お龍が漫画(当時とすれば黄表紙となるか?)を読む図はどう考えてもミスマッチだ。その上、真木よう子の漫画に対するアプローチが少し変わっているのである。

真木よう子は自分の書棚から愛読する漫画をいくつか紹介した。一番お気に入りは『寄生獣』(岩明均)というSF漫画で、右腕に謎の生命体(パラサイト)が寄生した少年とパラサイトとの葛藤を描くものだ。
彼女はグロテスクな描写は本来苦手なのだが、本作はそれをしのぐほど内容が面白いという。「主人公が人としてカッコイイ。ヒーロー的なものでなく精神的に成長する過程が魅力的」と真木よう子は熱く語った。

次のおすすめが『団地ともお』(小田扉)で、この漫画は一転して生活感が溢れる。ある団地に暮らす小学校4年生のともおが、子どもなりに一生懸命生きる日々を描いたものだ。
「私もともおみたいだった。頭が良くなくていつも駆けずり回ってる感じ」という彼女は、集合マンションに住んでいたのでともおの暮らしに共感できるのだった。
この漫画を読むときの彼女は声を上げて笑うことは無い。しかしフツフツと自分だけがわかるような笑いがこみあげてきて「ムフフと笑う」のである。真木よう子がムフフと笑う姿を想像するだけでこちらもムフフと笑いそうだ。

そして彼女の漫画のとらえ方が分かるのが『SLAM DUNK(スラムダンク)』(井上雄彦)の解説だ。同漫画は世代を超えて今も愛読されるバスケットボールに燃える高校生の物語である。
一般には主人公の桜木花道やライバルの流川楓、仙道彰、同チームの赤木剛憲、三井寿などが人気だが、登場人物は誰もが個性的で魅力があるのがこの漫画の愛される要因だろう。
そんな登場人物の中で、真木よう子が最も好きなのが豊玉高校の南烈(みなみつよし)というのだ。正直なところ名前を聞いても顔が浮かばないのだが、彼女は「なんで皆さんがこの選手を好きにならないかが逆にわらかない」と言い切る。
その理由は彼は勝つためには手段を選ばぬ闘争心があり、汚いことをするようなところもある。そういうところが人間らしくて感情移入できるからだそうだ。

このように真木よう子は漫画の読み方が実に独特で深い部分まで読み込むのだ。
そして、彼女の漫画好きは読むだけに留まらず、イラストを描くのも好きで『ピューと吹く!ジャガー』のうすた京介や前述の『団地ともお』の小田扉などのタッチに感化されている。小学生の頃から犬を主人公にした漫画を描くなどしており、漫画好きの歴史はかなり長いのである。

既に発売されている『お龍 真木よう子写真集』の裏表紙には、なんとこっそりと真木よう子による龍馬のイラストが描かれているのだ。真木よう子は「タッチが力抜けた感じで、これ、うまいです」と自画自賛していた。

彼女の演技にはきっと漫画から得た感性が活かされているのだろう。今後のお龍、さらに人気ドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」が映画化された「SP THE MOTION PICTURE」の笹本絵里役での演技が楽しみである。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)