writer : techinsight

【親方日の丸な人々】「公務員の奥様」の生活

婚活大流行の折り、安定性と年収とを重視した結果、公務員に狙いを定めてパーティに参戦している女性も多いことと思われる。
ところで、実際の「公務員の奥様」の生活はどういうものなのか紹介したい。

「公務員の妻」の約半数は同僚の公務員である。
特に経済的に疲弊した地方都市へ行けば、公務員女性の結婚相手は同僚公務員以外に考えられないので、男女比6:4~7:3の公務員たちは、トランプのババ抜きのようにマッチングして結婚していく。

よってこれらの人々は、「結婚している公務員女性」であって、いわゆる「公務員の奥様」ではない。

公務員以外の女性で公務員と結婚して専業主婦(パート勤務者を含む)に収まったのが「公務員の奥様」である。

彼女たちのかなりの数が、「官舎暮らし」をさせられることになるが、この官舎における公務員の奥様同士の付き合いが実に面倒なのである。

通常、奥様同士の序列は、その場、その状況においてなんとなくボス的な存在が出来上がり、ボスを中心にして、まとまることになるのだが、官舎の場合は、民間の社宅と同様、夫の役職が圧倒的に物を言う。

特に、転勤族である管理職クラス(課長など)は、単身赴任で一人で官舎に住んでいれば毎日の挨拶だけで済むのだが、何かの都合で家族帯同で赴任してきて官舎で暮らしていると、大変なことになる。

課長の奥様が謙虚な人であれば良いが、某野球監督の奥様のようなキャラであった場合、全員服従と忍耐を強いられる。
逆らうことは夫の左遷に繋がりかねないので、尋常ではない張り詰めた空気が毎日続くことになる。

人事係長など、人事権を持つ役職者の奥様がいた場合、特に何もなくても非常に気を遣う。こっそりケーキなどの付け届けを持って行く奥様も多い。

そうした目の上のタンコブがいなければ、自然とボスが出来上がり、他の奥様の監視業務に従事したり、不本意ながらママ友になってしまった場合は、幼稚園バスの見送りに外へ出て、そのままバスが帰ってくるまで数時間立ち話をしていることもある。

一人だけ、子どもを私立に進学させようとする奥様がいたら、全力で妨害するのも重要な任務だ。

こうした環境を快適と感じる奥様も結構多い一方で、「耐えられない」という人もいる。

公務員との結婚が決まった女性は、もし、この華麗で怪しい公務員の奥様ワールドに向いていないと感じたなら、「官舎暮らしお断り」というのを申し出たほうが良いかもしれない。

民間アパートを借りれば、家賃月額扶助が支給されるので、経済的に大差はないからである。
(TechinsightJapan編集部 石桁寛二)