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【親方日の丸な人々】参院選真っ最中 公務員をどうするかで意見百出

現在、参議院選挙戦の真っ最中であり、各党ともマニフェストを掲げているが、どの党も「公務員をやっつける」ということでは大筋の方向性は見えている。
しかし、その実施方法が不明瞭なものが多く、結局公務員の世界に大した変化はないであろう。

たとえば、予算編成権を内閣に移して、内閣予算局を作るという政策を掲げている党がある。作ること自体に問題はない。しかし、予算編成のエキスパートを集めるにしても、その人材は財務省にしかいない。
結果として、財務省の出向職員が親方である財務省の意向に沿った仕事をするだけである。

公務員を2割削減するという党、10万人削減するという党、員数ではなく人件費を2割削減するという党、どれも削減だけが大きく謳われていて、削減後の行政事務をどうするかという視点がないのである。

そして、国民の正直な心理は、結局「難しいことは国がしっかりやってくれなければ困る」ということなのだ。
それを民間に移したら、民間がしっかりやってくれるという保証はない。

困ったときのお役所頼みという意識のままで、予算と人員を削減しても、公務員の側では対処のしようがない。

「省庁の縦割りをなくして地方に権限を委譲し、道州制を施行します」というのもあるが、まず同一省庁内の局別縦割りをなくす人事システムの確立のほうが先であろう。
古来より、お役人の世界は「局あって省なし、課あって局なし」と呼ばれているのである。

この辺の雰囲気は、民間企業でもかつて事業部制をとっていた会社なら身に染みて分かっていることと思われる。

「天下りを無くします」というのも、どの党も共通して掲げているマニフェストのひとつである。これも基本は正しい。
しかし、「甘い汁を吸えなくしてやるぞ!ざまあみやがれ」という気分が先行して天下り撲滅を謳っているのは、お粗末である。

天下りを完全撤廃するにしても、部分的に残すにしても、そして人件費や人員を減らすにしても、重要なのは、限られた予算と人員の中でお役人(関連法人職員も含む)にしっかり仕事をしてもらうことなのだ。

公務員制度改革には長い時間がかかるのは間違いない。たとえば、新規採用者を一度内閣府の採用にして、そこから各省庁に割り振るという人事システムも一考の余地がある。

公務員は出身省庁意識で凝り固まっている人々なのだ。3年おきに別の省庁に異動させて、一つの省庁のカラーを抜いてしまうのも、長い年月続ければ、縦割り行政の防止には役立つであろう。
(TechinsightJapan編集部 石桁寛二)