台湾の代表的な景観ともなっている台北市の圓山大飯店(グランドホテル)で、日本人旅行客の転落事故が起きた。台湾観光に訪れていた日本人夫妻は、日中のツアーのスケジュールが終了した後、夜、ホテルの部屋で酒を飲んでいた際に、タバコを吸いにバルコニーに出た男性が転落、病院に運ばれたが死亡した。
警察の調べによると、亡くなったのは山本勝義さん(66歳)。山本さん夫妻は今回が6度目の台湾旅行。その第1日目に宿泊した圓山大飯店での事故で、助骨や両腕を骨折し、死亡した。
妻の話では、2人は今回の台湾旅行にあたり、日本からビールを数缶持参。空港内の免税店でもウイスキーを一本購入したという。この日は2人でビールを2缶ずつと、ウイスキー半瓶を飲んだ。その後、疲れを感じた妻は睡眠薬を服用後、就寝。すぐに薬が効いて眠り始めたが、夫がまだ寝ずにタバコを持ってベランダに行くのが分かったという。しかし、妻が事故について知ったのは、ホテルの従業員がドアをノックしてからだった。
警察が現場を調べたところ、バルコニーの手すりからは外向きに座ったとみられる、おしりの痕跡が確認された他、6本のタバコの吸殻も見つかった。部屋の中の机に置いてあったウイスキーも、もう半分が飲み干されており、勝義さんも睡眠薬を服用していたという妻の話などから、警察は他殺の可能性を排除。不注意による転落死あるいは自殺と判断した。
夫妻は睡眠薬を飲んで眠る習慣があったようだ。しかし、飲酒後の服用が危険なことはよく知られている。5階のバルコニーの手すりに外向きに座るという行為が、飲酒と薬の服用による奇異行為だったのか、自殺だったのか。真相は謎のままである。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)