台湾初の女性専門看守所が台北看守所の隣に開設された。この看守所は女性を収容するというだけでなく、24時間お湯が使えることや、各部屋に机や二段ベッドが設置されるなど、女性の需要に配慮している。
看守所とは、日本でいう留置場、拘置所、刑務所の一部の役割を担う法的施設である。法務部は昨年度から、北部の女性犯罪者の収容数が平均25%を超え、女性収容者が窮屈に過ごさなければならない現状を改善すべく、この女性専用の看守所を開設したという。
現在、台北看守所に拘置されている陳水扁前総統。“冬は体を洗うお湯も足りず、部屋の中には机もない。床に膝をついて手紙や訴状を書かなければならないため、背中や腰を痛めた。”と訴えた。これにより、台北看守所では決まった時間にお湯をバケツに入れて各部屋に届けたり、申請すれば机を使用できるなどの改善が行われている。法務部は「女性が先。それから男性。」「被告(看守所)が先。それから受刑者(刑務所)。」と、改善の進行順序を示した。
台北女子看守所では、もし収容者に3歳以下の子どもがおり、誰も面倒をみてくれる者がいない場合には、申請により一緒に入所できるという。所内にはエアコン完備の保育室も設けられ、ベビーベッドや歩行器、おもちゃがある他、子ども用の歌が聴けるラジオや子ども用の番組が見られるテレビも用意されている。
台湾では最近、出産費用を稼ぐために薬物の運び人になった妊婦が逮捕されるという事件があった。どんな理由であれ、犯罪は許されない。しかし、犯罪の背景にあるものにも目を向けなければならない。収容された者たちが、施設の改善により、社会の関心を感じ取り、社会に希望を持ち、一日も早く更生できることを願う。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)