誰かに肩を叩かれたと思ったら、気を失い、目覚めたときには外国の交差点に立っていた。その間に何が起きたのかは全く思い出せず、家族には“遺伝子研究、記憶の消去”という内容のメールが届いていた。こんな、まるで映画のストーリーのような事件を、あなたは信じられるだろうか。
中国、広東湛江(ジンコウ)市で、先日奇妙な事件が起きた。1人の女子大生が、駅で誰かに肩を叩かれた。その後、女子大生は意識を失い、数日後目を覚ますと、遥か遠い内モンゴルの包頭市の路上にいたというのだ。更に、失踪から発見されるまでの5日間、何が起きていたのか全く分からないという。
6月13日午前、彼女は宿舎の友人に、「人に会ってから帰る」と言って学校を出た後、行方が分からなくなった。別の友人の話では、13日の夜7時30頃に携帯電話で彼女と話をしたが、その時点では異常は感じられなかったという。しかし、彼女の携帯はその後電源が切れている。そして、16日深夜2時54分に彼女の携帯から父親にメールが送られた。
『我々は国際知名組織の研究員である。現在、人類の遺伝子に関する研究をしている。これは大きな影響をもたらす意義ある研究だ。今、あなたの娘を国外に送り、研究を進めている。無駄な捜索はしないでほしい。研究が終われば、我々は彼女の記憶を全て消去し、彼女に新たな素晴らしい人生を与える。だから彼女今後を心配しないでほしい。』
こんなメールを読み、我が子の安全を心配しない親はいない。
しかし、メールを受け取ってから2日後の18日午前11時頃、内モンゴル包頭市の派出所から父親に、娘が派出所にいることを知らせる電話が入った。
女子大生の話では、当時彼女は駅に立っていて、突然誰かに肩を叩かれたという。しかし、相手が誰かを見る前に気を失い、その後何が起きたのかも全く覚えていない。
包頭市でのことについては、18日午前、突然意識がはっきりとし、自分が交差点近くにいることに気付いたという。しかし、持っていたはずの携帯や財布、身分証などはなくなっており、激しい緊張に襲われた。ちょうど、近くに交通整備をしている警察を見つけたので通報したという。
この現実離れした事件も、「優生学」を国家規模で推し進める中国ならあり得るのかもしれない。しかし、どれだけ偉大な研究かは知らないが、ある日突然、勝手に人生を変えられてはたまったものではない。
中国警察はこの奇妙な事件の真偽を現在調査中である。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)