コンビニと言えば24時間営業の小さなスーパーというイメージだが、そのサービスは日々拡大されいまや“生活になくてはならない存在”になっている。ここ台湾でもコンビニ利用者は多く、店舗数の拡大はとまらない。そんなコンビニ激戦区である台湾のコンビニ業界が新たなサービスの展開を開始した。
台湾のコンビニが始めた新サービス。それは“ゴミ”の回収だ。「なんだ、ゴミならコンビニの入り口にゴミ箱があるではないか。」などと思ってはいけない。いわゆる家庭から出るゴミの収集をコンビニが請け負うのだ。
今回この新サービスが発案された理由のひとつに台湾特有のゴミ捨て事情がある。
台湾のゴミ出しは毎日夕方から夜にかけて行われるのだが、『エリーゼのために』の音楽(台北市の場合)とともに現れる収集車に各自がゴミを投げ入れる方式となっている。そのため、ひとつの収拾場所での回収時間が極端に短く、”その時間”に”その場所”にいなければゴミを捨てることができないという不便さがあるのだ。つまり台湾には、日本のように、燃えるゴミは何曜日、燃えないゴミは何曜日という決まりに従い、収集日の朝にゴミを出しておけばいいという考え方はない。台湾ではあくまでも限られた収集時間にその持ち主自身がその場にいなければならないのだ。
そこで考えられたのが、この“ゴミ回収”サービスというわけだ。
“ゴミ回収”サービスを利用するにはまず、コンビニ専用のゴミ袋を買う必要がある。市指定のゴミ袋に比べると8元(約23円)高く、生ゴミは捨てられない。今のところ、このサービスを開始したのは台北市の大同区、林森北路、民生社区などのコンビニ8店舗だけである。
「回収したゴミを小さな店舗のどこに置いておくのか?」
衛生管理が問題になりそうだが、仕事の後、ゴミ出しの時間を気にしながら急いで帰る必要がなくなるのは社会人にとって朗報と言えよう。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)