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【親方日の丸な人々】イマドキのお役人操縦術

公務員の身分保障と高給はやっかみの対象となっている一方で、国家公務員新規採用半減の方針が出されると就活者の間で悲鳴が聞かれるなど、公務員に対する思いは毀誉褒貶乱れて複雑である。

公務員叩きこそ良民の使命と考えて、ことあるごとに公務員に食ってかかる人がいるが、こういう人に対するお役所の対応マニュアルは整備されているので、ただのモンスター市民としか思われない。むしろ公務員を賢く操縦する知恵こそが生活を向上させると言ってもよいだろう。

たとえば住民税滞納問題を考えてみる。市民の義務であるから払うのが基本であるが、諸般の事情で払えないものは払えないという人がいる。

しかし、「アイツも払っていないからオレも払わない」とか「お前ら役人は仕事もしないくせに市民から血税をむしり取って」などと食ってかかっても、何も良いことはない。

日本社会独特の慣習であるが、「法令の定めがあっても、それが【非人間的】と考えられるなら、特例措置の裁量を残す」というものがある。

よって、「この税徴収がいかに非人間的か」ということを、正直に訴えればよいのである。

住民税は前年の所得に対して課税されるから、今年に入って病気でリストラの憂き目にあった人は、失業保険が切れても再就職できる見込みは薄いので、重税感はひときわである。

わずかばかりの蓄えがあったとしても、将来を考えると納税のために預金を降ろすのは苦しいことである。

こうした人から税金を徴収するのは「非人間的」である。いかに法の規程があろうとも、「非人間的」の烙印を押されることは、組織としてマズいことである。

徴収担当者にとっても、終わりの見えない督促事務を続けるよりは、納税免除または猶予の措置を執った方がはるかに都合がよいのだ。

実情を切々と訴えれば、そうした知恵を授けてくれることも多い。ただし、訴える相手方は、若手よりは中堅、女性職員よりは男性職員に行ったほうが効果がある。

あくまでも一般的傾向だが、女性職員と若手男性職員は規則を守ることに対して杓子定規な考えしかもっていない。「規則は規則です」と言われたら閉口するしかない。

逆に、裁量権のある上司にいきなり直訴するのも下策である。担当職員から上司に相談という形で具申してもらうのが一番よい。

少しの工夫で、お役人とは仲良くやっていけるし、自分の生活も守ることができるので、参考にしていただきたい。
(TechinsightJapan編集部 石桁寛二)