アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】連続自殺の裏に何が。"飛び降りるより恐ろしい"富士康の就業規則。(中国)

台湾鴻海グループの中国子会社、フォックスコン(富士康)で従業員の飛び降り自殺が相次いでいる事件について、ネット上で議論が繰り広げられている。その中で、フォックスコンの就業規則の違約条項とされる文書が流され、話題を呼んでいる。

違約条項には、「従業員は5年半の契約後、離職或いは就業態度に問題があった場合、初期の職業訓練費及び違約金を支払わなければならない。」と書かれており、多くのネットユーザーたちは「飛び降りるより恐ろしい契約だ」などのコメントを残している。

契約期間は5年半。従業員は契約の終了を待たずに辞職した場合、違約金を支払わなければならない。仕事に適応しないと判断されれば、フォックスコンには解雇する権利があり、その場合も同様に違約金が請求される。更に、もし支払いが滞れば、毎年10パーセントの遅延金が加算されるという。

求人と職業訓練にかかる費用計4000元(約5万3800円)、違約金5000元(約6万7300円)、事務代理費用が毎年1200元(約1万6150円)。

企業側の言い分も分からなくはない。時間と金を費やして人材を育てたのに、会社への還元もなく去られたのでは勘定が合わない。

しかし、違約金が月給の5倍、遅延金が10パーセントとはいかがなものか。これでは辞めたくても辞められない。

元従業員は現地メディアの取材に対し「工場には千人余りの従業員がいたが、“人をののしらない上司がいる”、なんて話は聞いたことがなかった。嫌な感じだった。」と話した。

労働現場で追い詰められ、就業規則に追い詰められ、行き着いた先が屋上だった若者たち。
フォックスコンは、自殺予防ホットラインの設置などよりも、まず、従業員たちにかかる過剰なストレスへの対策を考えるべきだろう。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)