今週から新人公務員に送る「合法的蓄財術」を紹介していきたい。
今のとこ公務員にとって最悪のシナリオとして想定されていることとして、国債償還が不可能になって日本が財政破綻してしまうということを常に考えて欲しい。
この場合、退職金はナシ、給料は大幅カット、年金は相当減額。でも「首にならないだけマシだと思え」という事態が想定される。そうなったときのために賢く蓄財しておく方法である。
まず、独身のうちは出張と残業と転勤をいとわないことである。超過勤務予算はシーリングがあって満額もらえるわけではないが、旅費のほうは毎年度末に大量に余るのが常で、この予算消化のために「わざわざ用事を作って」出張に行く必要があるのだ。
旅費は職員一人頭いくらで配布されるが、子供の世話や親の介護で出張に行けない人がいるので、その人の割当分も別の人が消化しなければならない。余っているなら返せばよいはずだが、役所にそれは絶対できないことはすでに多くの人が指摘しているので、ここでは紹介しない。
一人頭10万円の旅費があるとして、出張に行けない人の分もかぶると一人17万円もの旅費を「消化」する必要があるのだが、そんなに旅費があってもそもそも用務がない。
そこで「○○の視察」とか「○○の意見交換」という名目を立てて、同じ役所の他の出先機関に出張に行くのである。旅費は実費より多くでるので、差額は自分の小遣いである。最近は安いパックツアーがあるので、これを使えば17万円のうち半分くらいは蓄財に回せる。年間8万円を10年間貯金しておけば80万円だ。率先して出張を希望すればもっと儲かる。
そして、出張している間に仕事は積み残しになるから、これをこなすために堂々と残業をする名目が立つ。これで残業代を多くゲットできる。残業代も貯蓄に回しておこう。毎月5万円程度の残業代を10年間貯めれば、600万円になる。
先の出張代差額の積立と合わせれば700万円にはなるだろう。
最後は転勤である。お役所や自治体によって違うが、田舎へ転勤すれば「へき地手当」、東京などの大都市に転勤すれば「大都市手当(調整手当)」なるものが上乗せして支給される。へき地手当は、生活の不便さを補うため、大都市手当は物価の高さをカバーするためというのが、大義名分だ。
しかし、ネットが普及した現在、へき地でも車さえあれば生活には困らないし、東京で物価が高いのは家賃ぐらいのもので、官舎完備の公務員には関係ない話だ。
これによる給料上乗せ分は2万円~5万円程度になるので、これも貯蓄しておこう。10年間で600万円にはなる。
体力があるなら、人材不足の本省勤務を希望すれば、さらに本省手当なるものが加算されるし、広域転勤を頻繁に繰り返せば「繁忙転勤」による特別昇給もある。
こうした工夫により、体力のある20代のうちに頑張っておけば、30歳にして1500万円~2000万円の蓄財も夢ではない。
昔は、パチンコや麻雀や競馬、さらに夜遊びなどで散財するのが若者の特徴だったが、現在の若者は節約志向である。しっかり将来に備えて欲しいものだ。
(TechinsightJapan編集部 石桁寛二)