近年は、お役所でも来庁者に対する接遇教育を行うようになっており、市民に対して無礼な態度を取る職員は減ってはいるが、民間目線だとまだまだ配慮に欠ける点は多い。特に退職後に再任用された年配職員と一部の若手職員の接遇はかなりダメである。以下、その例を紹介しよう。
(例その1)
「お宅さんはどこへ用事ですか?」
目的の場所がわからずに困っている来庁者に対しての言葉であるが、名前が分からないから二人称で呼ばなければならないとはいえ、「お宅さん」はあり得ない。民間企業でこんな接遇をしたら、朝礼の場で注意されるであろう。
正しくは、「失礼ですが、どちらに御用ですか」あるいは「お客様のご用件は何ですか」などであろう。とりあえず「お客様」と呼んでおいても、間違いではない。
(例その2)
「こことここに名前と住所を書いてね」
親しみを込めて接遇しているつもりであろうが、これは児童に対する接遇であって、一人前の社会人に対しては親しみにもなっていなければ、礼儀にもなっていない。
正しくは「こことここにお名前とご住所をお書きください」である。
(例その3)
「(書類を書きながら)3番窓口でお待ちください」
これは民間企業でも接客でテンパっている人がやってしまいがちだが、お客様に案内をするときには、書類処理などの手は休めて、できれば「3番窓口」の方向を指し示しながら会釈しつつ案内するべきである。
(例その4)
夏場になるとクールビズが実施され、軽装が励行されるが、軽装と”だらしなさ”をはき違えている年配男性職員や、素肌の半分を露出して、サービスの方向性を間違えている若手女性職員が少なからずいる。
ワイシャツの半分をズボンから出していたり、ベルトをゆるめていたりするのは、軽装ではなく「服装の乱れ」である。
また、見る人によりけりだが、ワイシャツの胸ポケットにタバコを入れているのも、あまり好ましくないであろう。
以上は、来庁者の目に触れる場所で勤務する職員へのダメ出しということで紹介した次第である。完全内勤の職員であれば、コスプレで勤務しようと、上司にタメ口をきこうと、関知するところではないので申し添えておきたい。
(TechinsightJapan編集部 石桁寛二)