5月開幕予定の中国上海万博のPRソングが盗作疑惑でまたまた揺れている。4月23日放送された情報番組「DON!」で紹介された内容によるものだ。この『PRソング盗作疑惑』だが、一度は万博事務局が盗作を認めて使用申請したことで落ち着いたはずだった。ところが、ここに来て再度『盗作でない』という声明が出されたというのだ。
今回の出来事を整理すると次のようになる。
この5月から開催される予定の上海万博の公式PRソングがジャッキー・チェンなどが登場するPVで紹介された。
それに対して中国内で「岡本真夜の楽曲『そのままの君でいて』に酷似している」との指摘が相次いだのだ。
4月17日には上海万博事務局がこのPRソングの使用を停止すると発表。
19日には、同事務局が岡本真夜側に「楽曲使用申請」を出して、岡本側もこれを承諾した。
この時点で、事務局は「盗作」を事実上認めたということになる。
岡本側も「この曲が多くの人に楽しんでいただけるなら」と事を荒立てずに、事態は終息したと思われた。
ところが、4月22日にPRソングの作曲者である繆森(ぼく・しん)氏の所属会社が中国のネット上で
「PRソングと岡本さんの曲は大きく異なる」
という内容の声明を出したのだ。
しかも、
「岡本さん側も『2つの曲の違いは大きい』と認識している」
という内容も書かれている。
日本の岡本側の関係者は一切初耳で、
「なぜ、そういう声明が出てるのか根拠がわからない」
と戸惑っているのだ。
DON!の草野仁キャスターは今回の件に関してこうコメントした。
「上海万博事務局は使用申請しているので、岡本さんの曲だと認めたことは継続している」
「ただ、作曲者はどうしても盗作を認めたくないのだろう」
ということだ。
上海万博は5月1日開幕だが、この声明がどうPRソングに影響するか現時点では不明だ。
ただ、今回の件で岡本真夜の『そのままの君でいて』がリバイバルヒットしているという思わぬ影響も出ている。
これは、ニュースなどでPRソングと同曲を比較するために、何度もオンエアされており認知度が高まったためと思われる。
そのため、同曲が収録されたベストアルバム『RISE1』などの注文が殺到しているのだ。
22日までで約2000枚の注文があり、また、音楽ダウンロード配信での順位も急上昇している。
今後もますます増えそうな気配だ。
ところで、先日、日本の代表的な歌手、和田アキ子が今回の盗作疑惑についてインタビューに答えた。
「私が(PRソングを)聞いたところでは、98%同じメロディーやね」
「カバーが流行ってるから、カバーだといえばいいのに」
とコメントしていた。
今後、PRソングがどうなるのか、注目したい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)