アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】”車がティッシュのように”。地獄絵図のような山崩れ。(台湾)

台湾基隆市で25日に起きた山崩れで、夜も休まず行われてきた救助活動だったが、28日午前までに、車3台と4人の遺体が発見された。

救助活動が進展を見せたのは、27日午前11時45分。
行方が分からなくなっていたカップルの乗る、黒いベンツのナンバープレートが発見された。すぐに軍と消防隊員が集まり、鍬と生命探知機を持って捜索を開始、救護車や担架も待機し、奇跡の瞬間を迎えるかに思われた。
しかし、半日近く経っても何も見つからない。
泥まみれで、傷だらけで、元の数字も見えなくなったナンバープレートが、今度は重くのしかかる。

その後、大きな進展があったのは、救助活動を始めてから56時間が経った、27日夜10時過ぎ。
GPSにより、山崩れに巻き込まれた可能性が高いとされていたタクシーの車体の一部が見つかった。
その後、28日深夜1時頃、押しつぶされたタクシーと、その下に重なり合った青い車が発見され、しばらくすると黒のベンツも見つかった。
しかし、10万トンの土石の力は想像を絶する。救助隊員の中には、掘り出された車体が、まるでティッシュの様だったと形容する者もいた。

車体発見からおよそ2時間後、ベンツに乗っていたカップルの女性の遺体が発見され、その近くで男性の遺体も見つかった。早朝4時24分にはタクシードライバーの女性の遺体も見つかり、午前7時23分、青い車に乗っていた男性の遺体も土石の中から発見された。

大雨や地震などがない中で起きた今回の山崩れに対し、台湾国内では建設或いは建設後の管理に問題があったとする声が多く上がっている。
先日交通部が否定した錨の不備に関しても、台湾中部、南部においては、危険箇所がいくつも見つかったことが、現地メディアにより明らかになった。
これについて、馬英九総統は、遺族に対し賠償金を支払うことを交通部に指示し、公共施設の設置或いは管理に不備があったことを認める形となった。

(TechinsightJapan編集部 片倉愛)