前回に引き続き、公務員になるためのさまざまなテクニックを紹介する。
ただ、楽をして公務員になる裏技というのは基本的には存在しない。公務員試験の合格順位(「席次」という)が採用及び採用後の配転にまで影響を及ぼすのが公務員の世界であるから、単に合格しただけでは、新規採用抑制の折、採用はおぼつかない。
できるだけ高得点・高席次で筆記試験に通ることが必要だ。
まず、必ずしも現役合格する必要はないということは知っておいたほうがよい。年齢制限は試験区分や自治体で差はあるが、おおむね30歳くらいまでは受験できる。
「継続は力なり」ということわざの通り、高校1年から準備を始めて、30歳まで15年間も期間がある。その間、公務員予備校に通うもよし、フリーターをしながら独学するもよし、よほどのことがない限り、なにがしかの試験には通るであろう。
現役合格した同い年同級生の部下になるのはイヤだと思うかもしれないが、人事の工夫により、10年もすれば同じ役職になれるようになっている。
最近は、昇進拒否をする職員も多いので、年齢差などは気にしなくてもよいだろう。
自治体職員を希望する場合には、採用試験説明会には出席した方がよいだろう。顔を売るチャンスである。
また、縁故と議員はフル活用するべきである。公務員の世界は普通の人が聞いたらびっくりするくらい縁戚関係で結ばれている。親子三代・親戚筋が同じ役所の職員で、○○一族などというものが存在していることがある。
だから、遠い親戚筋がどこかの省庁に勤めているならば、遠慮せずに頼った方がよいだろう。採用試験にさえ合格してしまえば、格段に採用の可能性が広がる。
続いて議員である。これも自治体職員が基本だが、有力議員の力を借りるのも有効である。
もちろん試験に合格することが前提であるが、議員の選挙応援などに功労した実績があれば、力になってくれるだろう。20歳を過ぎたら、時の有力与党に入党してしまうという荒技もある。
縁故せよ議員活用にせよ、確実に採用が保証されるというわけではないが、ロビー活動としては非常に有力なのである。
合格して採用さえされてしまえば、仕事はほどほどまじめにやって、非違行為(飲酒運転や横領などの犯罪をはじめとして、公然わいせつや児童買春など)をしなければ、生涯は保証されたも同然である。
もちろん辛い仕事もあって、自分の仕事を神聖視しなければ続かないという局面もあるが、それは民間企業に比べれば取るに足らない。
前回の記事で「いっちょう金を稼いでやろう」という動機が最も大事だと書いたが、公金横領のことではない。
いたって正当かつ適正な方法で資産を蓄える方法はいくらでもあるので、次回から紹介していくことにしたい。
(TechinsightJapan編集部 石桁寛二)