アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】新宿三越の次は台北101?「クロサギ」のような強盗犯の巧みな手口。(台湾)

12日午後、台北101ビルにあるジュエリー店、DE BEERS(デビアス)台北101旗艦店で、東洋系の男が指輪2点を奪って逃走した。警察では、防犯カメラが捉えた犯人の容姿や手口が12月31日に新宿三越で起きた強盗事件の容疑者とよく似ていることから、同一犯の可能性が高いとして、日本の警察と連絡を取りながら捜査を進めている。

警察の調査によると、男は先に外国人を装って20代の女性に声をかけ、「妹の誕生日にプレゼントを贈りたいので、手伝ってほしい」などと誘い、二人で店を訪れた。店内では、女性を通訳代わりにして、店員にダイヤの指輪を2点出させると、指にはめて品定めをするふりをしながら、別の指輪も見せるように指示し、店員の注意がそれた隙をみて、指輪をはめたまま逃走した。

店内でのやりとりは女性がすべて担っていたため、店員は男と女性が親しい仲なのだと思い込み、反応が遅れてしまった。
「どこへ行ったのか」と女性に尋ねると
「さっき知り合ったばかりなので分からない」
という答えが返ってきたところで、事の重大さに気がついたようだ。

すぐに警備員を呼び男を追いかけたが、男は逃走経路に自転車を用意するなど周到な計画を立てており、取り押さえることはできなかった。

盗まれたのは4.2カラットと2.1カラットのダイヤの指輪で、被害額は1200万元(約3500万円)にものぼる。そんな高額商品からなぜ注意をそらしてしまったのか。他の店員に別の商品を取りに行かせることはできなかったのか。しかし、男はそこにも周到な計画を用意していた。別の指輪を頼む前に、ポケットの中から携帯電話を使って店に電話をかけたのだ。

この事件を聞いて、記者が思い浮かべたのは、「クロサギ」のドラマである。ドラマの中で、堺正章演じる詐欺師が若い女性に声をかけ、「娘に贈るプレゼントを選ぶのを手伝ってほしい」と誘い、品定めをするふりをして女性を置き去りにして逃走する。

置き去りにされた女性はどうなるのか。親切心からしたことなのに、犯行の手助けをしたのではないかと疑われる。ドラマのように代わりに代金を支払わされることはなかったが、近々留学予定だったこの女性は出国禁止になってしまった。

台湾国内の飛行場では容疑者の写真を貼るなどして、総動員で捜査を進めているが、これまで何の情報も得られていないことから、警察は男が既に出国している可能性もあるとしている。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)