アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】撮影もまだなのにチケット代で予算集め。台湾中が注目する映画とは。

撮影すら始まっていないのに、チケット予約が始まった映画がある。魏徳聖(サミウェル ウェイ)監督が手掛ける『賽德克巴萊(セデックバレ)』だ。また、主演のビビアンスーは、「必要ならば、家を売ってでも応援したい」と、この作品の魅力を語った。

魏監督は、昨年公開された「海角七號」の大ヒットが記憶に新しい若手監督だ。
日台の若者の恋愛を描いた映画で、世代を超えたあらゆる人を魅了し、台湾映画史上歴代第1位の記録を作り出した。(日本では今年12月に公開予定)

しかし、その大ヒット作が、この『賽德克巴萊』を製作するための1ステップだったとしたらどうだろう。

『賽德克巴萊』は、1930年の日本統治時代、台湾中部の先住民が武装蜂起した「霧社事件」をストーリー化したものだ。「霧社事件」は不当な扱いなどに反発する先住民が、警察や学校などを襲撃し、日本人134名を殺害するという、日本統治化に起きた最大規模の武装蜂起であった。
これに対し日本軍は武力をもって鎮圧し、虐殺などによって死亡した先住民は千人以上にのぼった。

10年という長い年月をかけて完成した脚本。念願のクランクインを前に大型の台風が台湾を襲った。撮影予定地の自然が破壊され、当初2億元(約5億5千万円)だった予算は5億元(約14億円)にまで膨れ上がった。これまでの台湾映画にはない巨額な予算である。

その予算を捻出するために打たれた策が、クランクインを記念して販売する限定ペアチケットである。公開予定は2011年とされているが、撮影すら始まっていない作品だ。なんの保障もない。
しかし、「海角七號」に感動した者ならばきっと、チケットを買い、その完成を心待ちにすることだろう。
魏監督は映画の公式ブログ上でこう語っている。
「2年後、あなたは知るだろう。台湾映画の歴史的1ページを、共に描いたということを。」

また、監督は同ブログ上でこうも語っている。
「このストーリーは、同じ土地に生きる者たちにとって、記憶に残す価値のあるものであり、私が伝えなければならないストーリーである」と。
魏監督がどうしても伝えたいストーリー。2年後の完成が楽しみだ。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)