先日、こちらでもご紹介した、”奇跡の音痴”ジョン・アンド・エドワード兄弟。連日イギリスの各メディアがこぞって取り上げる”歌ダメ”、”踊りダメ”、“ルックスはそこそこ”の二人だ。にも関わらず、神のいたずらか、大人気となってしまったこの双子。しかし幸運はそういつまでも続かない。いよいよ彼らに最後の審判が下されるときがきたのだ。
イギリスでいま最もホットなリアリティ・オーディション番組「Xファクター」。実力派ばかりのファイナリストのなかで明らかに異質な存在のジョン・アンド・エドワード兄弟。
会場からは、今夜も女の子達の黄色い声援が痛いくらいに飛び交い、「ジョンナンネドワー!」の連呼が止まない。その声には、すがる思いすら感じられるが、とうとうそれが現実のものとなってしまった。
双子の特性を活かしたおそろいの衣装と髪型で、歌はヘタながらも勢いのみで聴衆や審査員の支持を勝ち取って来た彼ら。やはり、ここへ来て敗退させられてしまったのだ。
焦点となったのは、やはり“歌”だった。
番組プロデューサーのサイモン・コーウェルを含む四名の審査員が順に、双子かその競争相手となるオリー・マーズのどちらかを選んでいく 。当然、双子を推薦し続けて来たお抱え審査員ルイ・ウォルシュは今回も彼らの名を挙げるも、他の二名がまずオリーを支持した。最終的に、カイリー・ミノーグの実妹であり、またセレブ・ミュージシャンであるダニー・ミノーグの審判に結果が委ねられるかたちとなった。
ダニーは「一つ質問させて!」と切り出した。「このショーは、歌唱コンテストなのよね?」それを聞いた審査員は、「ダニー、誰に質問してるんですかね?それは、あなた自身が答えを出して下さい。」と煽った。果たしてダニーが出した答えは「この番組は、やはり歌唱コンテストだと思うの。だから、ジョン・アンド・エドワードを家に帰します」であった。
今回のX−ファクター2009からは遂に退くことになった二人だが、今話題沸騰中のスーザン・ボイルさんも同様のオーディション番組では優勝こそ逃している。今後、彼らの強力なサポーターであるティーンエイジャーの支持次第では、いくらでもタレントとして活動を開始する可能性は残されている。
ともあれ、台風の目となる異端児を失ったX−ファクター2009。今後どの様な接戦が引き続き繰り広げられるのか。オーディションはクライマックスに向けて更に加速する。
(TechinsightJapan編集部 一平インディ)