バンコクにあるボーウォン・ニウェート寺は、由緒ある格式高い寺として有名であり、現国王や王子もかつて、この寺にて出家した。その寺の住職が、10月3日に96歳の誕生日を迎えた。そのため、寺では数々の儀礼が行われたり、住職にまつわる特別展が開かれ、多くの見物客でにぎわった。
ボーウォン・ニウェート寺は、戒律の厳しさで知られるタマユット派の総本部である。タマユット派は、ラーマ4世(ミュージカル「王様と私」のモデルとして有名)によって創設された宗派で、これには王族の信者も多く、現国王ラーマ9世やその子息もここの寺にて修行した。ボーウォン・ニウェート寺は、まさに由緒ある格式高い寺といえよう。
そんなボーウォン・ニウェート寺にて、10月1~3日、同寺の住職ソムデット・プラサンカラート・サゴーン・マハーサンカパリナーヨックの96歳の誕生日を祝う式典が開催された。
寺の広い敷地内には、住職の足跡を記す様々な特設展示が用意され、多くの見物人を集めるとともに、住職の誕生日を祝うべく、各地から僧侶が招かれて儀礼が行われた。
また、この寺は前述のように王族との関係が歴史的に非常に深いうえ、96歳を迎えた住職はかつて、現国王や王子が出家した際にその指導役を務めた。そのため1日には王女が、2日には王子が体長不良の現国王に代わって寺に訪れ、誕生日を祝う儀礼を行った。
しかし、残念なことに誕生日を迎えた住職は、体調不良のため現在入院中である。そのため、期間中の儀礼は実際に住職を囲んでのものではなく、また訪れた一般の人々も、住職の説法を直接拝聴することはできなかった。
そこで、ある特設展示場に用意されたのが、住職の説法の様子を3D映像で伝えるものである。
仏像をバックにして、住職が3D映像で現れ、見物人に説法するのである。そこで人々は、徳のある高僧のありがたい説法を厳粛に聞くのだ。
誕生日を祝う儀礼自体は3日までだが、3D映像の説法を含めた数々の特別展示は、今月15日まで開かれている。今後も多くの人々が訪れることが予想されているのである。
(TechinsightJapan編集部 若曽根了太)