writer : techinsight

【ドラマの女王】香里奈主演、『Real Clothes』(リアル・クローズ)は、“東京ガールズコレクション”の出先機関。

今回の【ドラマの女王】は、香里奈主演『Real Clothes』(リアル・クローズ)フジテレビ系。恋愛の秋!オシャレの秋!と意気込む若い女性から、「今年こそどうにかしたい。」と必死なアラフォー独女まで、とにかく“自分を高く売りたい女子”が増える今日この頃。不況になればなるほど「高くてカワイイお洋服」は売れているらしい。モデル出身の香里奈が「これでもか!」と着飾ってポーズを決めているドラマかと思いきや、メガネにひっつめの“お地味な”販売員姿。でも、それはそれで可愛かったりして。

崖っぷちデパートのふとん売場から花形である婦人服売場への異動を命じられた、地味な販売員の天野絹恵(香里奈)が、「仕事を通じてオシャレに変身していく。」というストーリー。

原作は、『おいしい関係』などの名作が多い槇村さとるの漫画。いやおうナシに期待しちゃう記者。
野暮ったい絹恵は、業績不振の「越前屋百貨店」を建て直す為にやってきた、カリスマ販売プロデューサーの神保美姫(黒木瞳)からファッションのあり方を学び、次第に本領を発揮していく。バイヤーの田渕(西島秀俊)や、蜂矢(小泉孝太郎)、ライバルの契約社員・凌(加藤夏希)、販売員の女性(香里奈の姉ちゃんたち)ら職場の仲間とぶつかり合いながらも信用を勝ち取とっていくという、オシャレをテーマにしているが、その実昔よくあった「デパート○○物語」みたいな“お仕事ドラマ”である。

絹恵のような、内面を磨くことを大事にして、外面をあまり構わない女性に対して、「向上心の無いダメ女。」と罵倒する風潮がドラマ中に見られる。それは彼女たちがいわゆる利益率の高い服飾などの商品を買わないからで、雑誌やテレビの広告において都合が悪いから。高い服を着ていなくても、ちゃんと働いていればなんら生活には困らない。でもだからといって「私は見た目重視の女になりたくない!」と安っぽい服を着て「お稽古事」にばかり精を出す「負け犬」になったら終わり。なまじ経済力をつけても、カワイクしなければいけない日本女性は大変なのである。

番組終了時に、ドラマ中に香里奈が着ていた服がケータイで買えるというお知らせ。これって・・・、なんとも美味しい?ビジネス「東京ガールズコレクション」の出先機関みたいなドラマだ。

冒頭の海外ロケも含めてわりとスッキリまとまっていたスタート。今後、影のうすい絹恵の恋人・達也(高岡蒼甫)と、田渕(西島秀俊)や、蜂矢(小泉孝太郎)の男三人が、絹恵とどう絡むかが一番気になるところ。等身大の主人公・絹恵が、仕事も恋も美貌も手に入れるシンデレラストーリーなるか。『ラブシャッフル』を見たときも思ったのだけど、香里奈が出てくるとドラマがチョットだけゴージャスになる。クリスマス・シーズンが楽しみである。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)